内容的にはマニア向けの商品。今までにPSPで発売されてきた、将棋ゲームと比べても一線を博しています。特に驚いたのは、各名人によって使う戦法は全く違い、それぞれの棋風に合った序盤戦術です。例を挙げれば、丸山名人は断固角換わりを目指してくるし、佐藤名人は丸山ワクチンから▲6八金と上がってきたりします。加藤名人にしても矢倉で飛車先の歩を突いてきます。それぞれの前例があるまでは、ノータイムですっ飛ばしてきます。但し、思考ルーチンは主にこれまでの東大将棋に准じているので、前例が消えて以降はこれまでの作品と違いありません。実力に関しては、ゲームの性質上仕方のないことですが、このときに問題が起こります。先程挙げた、丸山ワクチンの▲6八金型のようにいびつな形でコンピューターに思考が変わった場合、自然な▲7八金型に戻ろうとします。また、これはコンピューター将棋においては全てで言えますが、少しの手順の違いをくみ取る力はないので、意外と早く前例を離れてしまいます。名棋士との対局雰囲気を楽しみたくても突然ぶち壊されます。また、定跡講座はついていないので、それを欲する人にこの作品は向きません。クイズや詰め将棋はこれまでの作品のようにサブ的に・・・名人戦棋譜速報(月額500円)を申し込んでいない人は順位戦ここ2期分の棋譜を全て見ることが出来ます。ただ、解説は付いていませんし、私自身は500円払っているので完全ダブってしまいました。
総評として、全体的にいいアイデアだったと思うのですが、やや物足りない印象です。どうせなら、米長、中原、大山といった現役を引退された棋士を入れてもよかったのではないかと思います。実力的には、将棋中級者向けだと思います。プロの将棋を知りたい人や上級者の記念品としては、お金に余裕のある方は手に取ってみてください。