AKI-H8キット(秋月電子通商製)を用いて、H8マイコン(当時日立製作所、現ルネサステクノロジ製)上のプログラム開発技術を、ハード/ソフト両面から解説した本。初心者にも理解できるよう、2進法等の基礎知識からプログラミング手法に到るまで段階的に説明されている。
第一章では、2進法、論理代数等の基礎の基礎から始まって、ディジタル回路の原理が説明される。第二章では、H8マイコンの知識として、ブロック・ダイアグラムを用いた全体構成、そして、レジスタ、メモリ、入出力ポート、データ/アドレス・バス、制御信号、割り込み等の個々の要素が詳説される。第三章では、AKI-H8キットを用いたボード(以下AKI-H8ボード)の作成法の説明。第四章では、コンピュータの基本要素を知るために、ラッチとLED、ROM/RAM、アドレス・デコーダ等が豊富な回路図を用いて説明される。第五章から、プログラミングの説明が始まり、まずアセンブラの解説、H8のレジスタ構成、PC、SP、CC、データ・サイズ、命令語一覧、サブ・ルーチンの概念、アドレッシング・モード等が丁寧に説明される。第六章では、Cの言語仕様がかなり詳しく解説される。第七章では、Cを用いたプログラミング例とプログラムのROM化の問題が扱われる。最後の第八章では、マイコン周辺技術として、シリアル/パラレル・インタフェース、DMA転送が解説される。付録のCDには、H8のマニュアルや開発環境が入っているので、AKI-H8ボード上で、上述の説明を実機で試してみる事が出来る。
全体で300頁を越す分量であり、各項目が丹念に説明されている事が分かる。実際のボード(AKI-H8)上で動作を確認しながら読み進められる点も有効で、まさにH8の教科書と呼ぶに相応しい内容。