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彼が唯一望むことは、職業としての「耕す人」ではなく、自給自足という「野生の獣のような生活」
無人の親戚の農場で自由にできる道具があっても、自分がいなくなった後、その痕跡が残らないようなものを選び、
金属類をさける。「自分が生きていた証を後に残そう」という気持ちもない。
ひたすら隠れて逃げるが、それは行動力とかたい意思で貫かれた逃亡生活ではなく、
35キロまで痩せこけ、眩暈で気絶し、かすれて消えていくような極めて生命力のないやりかた。
この青年を周囲は解釈したがる。
それぞれカテゴリー別に設置されたキャンプに入れようとする。
マイケルが育てたカボチャを見て、仲間の脱走兵がどこかにいるはずだと自白をせまる。
医師は、マイケルの母親が死後も息子にとりついているのだと精神的分析をする。
ラストに出てくる男は、マイケルにも性欲があるはずだと自分の妹をあてがう。
マイケルは白痴扱いはされない。
「白痴扱い」ができないだけに、周囲はマイケルにあうカテゴリーを見つけられず不安になる。
つまり社会に属する人間がどれだけ「分類」にとらわれているかということだろう。
「あらゆることに時間がある」
自由になったマイケルの言葉。
マイケルという人間そのものの鑑賞より、読んでいて自分のうちに起こる疑問や、
自分には「あらゆることに時間がある」と言えない理由を考えたりする作品。
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