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マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」 (中公新書)
 
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マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」 (中公新書) [新書]

菅 正広
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

貧困は遠い国の出来事ではない。統計によれば、日本でも五日に一人の割合で餓死者が発生している。貧困に苦しむ人々を救うために、バングラデシュで始まったマイクロファイナンスはアメリカ、フランスなど先進国でも、その力を発揮している。担保のない人々に融資をしながら、貸倒れ率一~二%という実績を残す「驚異の金融」―これは日本の貧困問題にも有効か。この国の貧困の現状をデータに基づき明らかにし、導入の可能性に迫る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

菅 正広
1956年福島県生まれ。1980年東京大学経済学部卒業、同年大蔵省入省。1984年英国ケンブリッジ大学修士(MA)。相馬税務署長、国税庁・証券局課長補佐、主計局主査、OECD(経済協力開発機構)室長、財務省国際局・関税局課長、預金保険機構部長、大臣官房参事官などを経て、北海道大学公共政策大学院教授。2009年7月より、鉄道建設・運輸施設整備支援機構理事(役員出向)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 205ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2009/09)
  • ISBN-10: 4121020219
  • ISBN-13: 978-4121020215
  • 発売日: 2009/09
  • 商品の寸法: 16.8 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
信頼のコスト 2009/10/14
By picander トップ500レビュアー
形式:新書
マイクロファイナンスの金利が一般的に高いのは、貸倒率が高いことではなく(実際は低い)、借り手との信頼構築にかかるコストが大きいことによる。
多くの場合無担保で保証人なしのマイクロファイナンスは、貸し手が足繁く借り手の元に通い生活環境を詳しく調査して信頼関係を築き、
融資後も融資の借り手の事業の立ち上げや債務の弁済を物心両面でサポートして、結果「この人にはがんばって返さなきゃ」と思わせる必要がある。
同じ個人小口融資であっても、消費者金融は貸倒率の高さを金利でカバーするが、マイクロファイナンスは貸倒率を下げるためのコミュニケーションコストを金利でカバーする、ということだ。
一方を悪で、もう一方が善だと価値判断を急ぐよりも、まず金融業として持続可能であるシステムか否かを冷静に見極めるべきだろう。
マイクロファイナンスも金融業のなんら例外ではなく、その社会的意義をどれほど賞賛されたとしても、資金が回らなければ金融業は継続できない。
金利、貸倒率、審査コスト、運営コスト、寄付、保証や担保等の微妙なバランスのうえにビジネスが成り立っているし、それをマネジメントできる人材が必ず必要である。
いずれにせよ、新しい金融ビジネスが勃興しており、それが社会的なインパクトを与えていることは賞賛できる。
本書が紹介する成功事例が真に成功と呼べるのは、貧困をどれだけ救ったかという慈善の視点だけではなく、
運営者が冷徹なマネジメントによってその事業を真に持続可能なものにしていることにある。
「低所得者への小口融資は消費者金融のビジネスモデルしか成立しない」とされていた世界でマイクロファイナンスが事業を継続できるのであれば、
金融業における使命感や意思の所在がいかに重要なのか、グローバルに金融に翻弄され続ける21世紀の最初に私たちは学ぶことができるだろう。
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By be3osaka トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
この本を手にしたきっかけは帯に「貸倒率 1〜2%」とあったからです。
マイクロファイナンスがどういうものであるかは、かつてテレビで採り上げられて知っていたのですそのときは貸倒率まで触れてなくて、「事業として成り立つのか?」という疑問をもってました。

マイクロファイナンス−をgoogleで検索してみると98,800件ほど出てくるのでかなり知られたものとなってきているようです。しかし、まだまだ普通の人が知っていることにはなっていない状況をみると新書で出されたことは大いに意義があると思います。

構成は以下の通りです。

序章:日本でマイクルファイナンスが普及しない理由
第1章:深刻化する貧困
第2章:マイクロファイナンスとは何か
第3章:先進国のマイクロファイナンス
第4章:日本版ビジネスモデル
第5章:公の限界と民の限界
第6章:共感のある社会
第7章:私たちにできること
終章:マイクロファイナンスの先にあるもの

この構成をみるとわかるように著者は日本の現状打開の一つの方法としてマイクロファイナンスがあると
考えられています。企業や社会のあり方が変わらないと普及しないとみられているようでその点については同感です。こういう本が沢山売れるようになってはじめて共感のある社会もできていくのでしょう。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
本書は、経済学を専門とし

現在は北海道大学教授である著者が、

マイクロファイナンスについて解説する著作です

マイクロファイナンス(以下「MF」)とは、

「貧困に苦しむ人々に提供する、少額無担保融資などの、金融サービス」のことです。

このMF、従来日本では、開発援助の文脈で論じられることが多かったのですが、

筆者は、国内の貧困対策として活用することを主張します。

そして、ノーベル平和賞受賞で知られるグラミン銀行をはじめとする各国での成功例や

すでに国内にある低所得層向けの融資制度を紹介したうえで

日本におけるMFの本格的な導入と

それを支える国家や社会の役割や理念を説明。

さらに、MFを運営する人材を育成するための機関の設立を提唱します

低所得層向けという点で類似する消費者金融との相違や

E・P・トンプソンなどを参照した抽象的な議論も興味深かったのですが

やはり一番興味深かったのは

NPOバンクや市民投資信託、公益信託型など細かく分類し提示される

日本型マイクロファイナンスのビジネスモデルです。

一読すると無味乾燥な記述ですが、

こうした細かい記述を読むことによって、

漠然と理解しがちなマイクロファイナンスについて、

具体的イメージをもつことができました

抽象論に終始することも、些細な論点に拘泥することもなく

MFについて平易かつ網羅的に論じた本書

貧困などの社会問題や公共哲学に興味を持っている方はもちろん

一人でも多くの方におすすめしたい著作です
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