アメリカでは昨年発売され、
各メディアで話題になっていた「マイクロトレンド」。
ビル・ゲイツやビル・クリントンをはじめ、
25の国家元首とフォーチュン500企業の多くの
“ブレーン”となったポールスター(世論調査員)の著者が、
初めてその手法を開陳した本書がついに日本で刊行された。
誰もが知っているような「メガトレンド」はもはや存在せず、
人口のたった1%であろうと、世の中を動かす影響力をもつような
小さなグループに焦点を合わせることで、
マーケティングや政策立案、投資戦略に活かせるのだという。
副題から考えるような、一部のエリートが世の中を動かす、
というわけではなく、挙げられている例は未婚の女性や高齢の新米パパ、
ベジタリアンの子どもやネット嫌いの若者、プチ整形マニアなど、
身の回りに確かにいそうだけれど、マスではないような人々。
これがただのニッチやマニアックな流行と違うのは、
彼らの存在自体が社会や経済の構造を変えていく可能性を持っている、
という点だと言う。そこが目から鱗なのだ。
著者は先頃までヒラリー・クリントンンの選挙参謀をしていたのだが、
ワシントンではこうした手法が政治や選挙戦略に活かされていて、
日米の彼我の差を感じざるを得ない。
本書では日本版の監修として三浦展氏が日本でのデータを併記していて、
比較して読むのも面白い。三浦氏が言っているように、
本書は「常識を逆転させる」思考実験の本だ。
ビジネスはもちろんだが、フラット化した社会の新しい実像を
理解する好著だと思う。