この漫画、子ども同士のふとした棘のある言葉による喧嘩とか、
父母の不和で子どもが精神不安定になったりとか、
祖父母の世代と父母の世代の育児観の違いとか、
発表会で親の子られない子どもの心理描写とか、
保育の現場で「あるある」と思わせるエピソードが随所にちりばめられ、
それらに対する正宗君の誠実で適切な対処方法は、
保育所でもそう対応するのが理想だなと思う判断ばかりで、いつも感心しています。
作家さんもそういった事例についてよく勉強しておいでなのでしょう。
こはるちゃんは、大人に気を遣いすぎで、少し不憫だとも思うんですが、
正宗君は父子家庭の忙しいお父さんとしては、
十二分にこはるちゃんの「最善の利益」をかんがえて奮闘している良いパパですし、
二人の慮りあう関係はほほえましいものがあります。
フィクションの設定に疑問を挟むのもなんですが、素敵な作品だけに気がかりなのは、
1.父子家庭には保育所の優先入所ができるのに、なぜ三時までの幼稚園に通わせているのか。
2.今だけ思慮深い正宗君がなぜ避妊をせず、またその結果として親になる場合があるという
責任と自覚が少し軽いタッチで描かれすぎていないか・・・という点です。
でも総じて、これだけのリアリティを持った育児描写をしている作品も少ないですし、
ここ数年でもまれな良作だと思いますので、今後もたのしみにしています。