「マイガーデナー」を読み終わり不思議な思いにとらわれた。コミックなのに吹き出しもほとんどなく、カッコで囲まれただけの会話なのだ。単調に見えるが、心の声をさまざまな大きさの文字を使いながら表現していく手法はユニーク。あるときは舌足らずの会話を自分の想像力を働かせて、行間の余白に書かれている部分を補いながら読まなければならない。それが苦痛でもあり面白くもある。その作業を丁寧にしていくと、思春期の「さな」のこころのうちに、スッと入り込めてしまう。「さな」に注がれる作者の思い、「ユキ」「母」「小てつ」「おじいちゃん」に対するまなざし、そのどれもがあたたかくてやわらかく深い。まるで詩のような美しいコミック。人間のすばらしさを感じさせてくれる。いつか子どもが成長したら読ませたい、と思う。