住宅バブル崩壊後の金融危機で、アメリカ政府がとった行動は迅速だった。
何でも先送りにする日本政府とは、対照的だ。
本書を読むと、その舞台裏で、ポールソン財務長官がどう考え、どう行動したか、
なぜベアー・AIG・ファニーメイを救済し、リーマンを潰したかが、克明にわかる。
その回顧録が、こうして出版されて世間に公開されるのが早いのも、アメリカらしい。
日本では、1998年以降の金融危機で、誰が何をしたか、なぜ長銀・山一を潰して、
他の金融機関を救済したかといった、説明や回顧録はいまだに出てきていない。
アメリカの金融危機は世界に広がり、その危機は、今でも完全に去ったとはいえない。
これからも繰り返すだろう、金融不安の波に、アメリカがどういう手を打つか考える
上で、本書は、貴重な資料となる。