有名な難レベルの英文解釈書です。
しかし解釈のノウハウを手取り足取り教えてくれる本ではありません。やや難しめの和訳演習を通じて、複雑な英文の解釈の仕方を学ぶ、といった体裁の本です。
問題数は50題で、英文の長さは2行程度のものから1パラグラフ分あるものなど様々です。特に難解なものにはライオンマークがついています。
本書の対象者としては、
基礎英文解釈の技術100 や
必修英文問題精講で基本的な解釈方法を学んだ上で、
やっておきたい300 や
頻出 やさしめ英語長文などに取り組み、ある程度英語の読み慣れが出来てきた人が適切です。
よく解釈を一気に基礎から難レベルまでやってその後長文演習に移る、という人がいますが、本書のレベルの解釈本の前に一旦やさしめの長文を演習しておくべきです。
センター+αの英語なら自信を持って読めるくらいでないと、挫折しかねません。
よって同著者の
基本はここだから接続するのは無謀としか言いようがありません。
本書のライオンマークなしの問題でも躓くことが多いなら、基本的な文法、単語、解釈本に戻るべきです。
ところで、
英文読解入門基本はここだ!もそうなのですが、この著者の本の素晴らしい所は、前から読んでいってその構造を決定し意味をとる、という過程が明確に示されていることです。それこそがおそらくこの本が英文読解「プロセス」と名付けられた所以なのだと思われます。解釈本は星の数ほどあれど、こういった視点でしっかりと解説してある本はほとんど見たことがありません。
確かに解説はそっけないのですが、逆に、月並みな表現を用いれば、この本の良さが分かる人はある程度力のある人と言えます。
語彙レベルは高いですが、語句注は一切ありません。しかしそれは辞書をひけば解決できますので何の問題もありません。また一見未知の単語に見えても、形から推測できるものも多いです。assertionやdisownなどを収録している受験用単語集はあまりないと思いますが、assertやownならば分かるはずです。このようによく見てみると知っている単語の派生語になっているものも多いので、すぐに知らないと決めつけずに類推してみる訓練にも使えます。
和訳最難関の京大でも、解釈に関してはこの本のレベルまでで十分です。これ以上は、語彙と日本語力の勝負になるでしょう。
初見でこの本の15(名古屋大)、24(大阪大)、46(慶応大)を文法的に説明できるのであれば解釈の実力は相当なものです。もしこの本の使用を検討している人はこれらの3問を立ち読みでもいいのでチェックしてみてください。