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ポピュリズムへの反撃  現代民主主義復活の条件 (角川oneテーマ21)
 
 

ポピュリズムへの反撃 現代民主主義復活の条件 (角川oneテーマ21) [新書]

山口 二郎
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 760 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

日本社会の更なる沈下を招いた小泉政権を当初歓迎したのは大衆のポピュリズムであった。新たな民主主義再生を実現する手がかりとは何か。9月民主党代表選も含めて検証。政治リテラシーを身につけるための一冊。

内容(「BOOK」データベースより)

ポピュリズム=大衆のエネルギーを動員しながら一定の政治的目標を実現する手法。私たちを自滅的な政治選択に導くレトリックの正体。ポピュリズムと言葉という切り口から、この10年間の日本の政治について考える。

登録情報

  • 新書: 221ページ
  • 出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010/10/9)
  • ISBN-10: 4047102563
  • ISBN-13: 978-4047102569
  • 発売日: 2010/10/9
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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By くにたち蟄居日記 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
 本書で著者が目指していることは「考える世論の育成」であると読んだ。

 ここ十年の選挙を考えると、その時々のムードに強く引きずられている国民が浮かび上がる。また、その国民に更に引きずられる政治がある。一種の「愚のスパイラル」の中で、結果として社会が弱体化してきたことが、最近の日本だということが著者の最大の問題意識であろう。

 では、その「考える」ということは何なのか。著者はそれを語る為に「考えない」ということをポピュリズムという概念を通じて、描き出す。物事を単純化し、ステレオタイプに分け、敵と味方という二元対立を構成することによる判断停止状態を描き出す部分が本書の白眉だ。

 そこにはメディアの罪もうっすらと描き出されている。所詮、視聴率や購読者数という論理で動く私企業としてのメディアが、いかに小泉純一郎を始祖とする劇場政治に助けられたか。それは想像に難くない。政治のスポーツ化、ドラマ化はメディアにとって「美味しい」話だったに違いない。勿論 著者自身も、そんなメディアの構成要素の一人であるはずだ。

 それでは「考えた」挙句にどんな社会が有り得るのか。この点に関しては、著者も明快なモデルを提出しているわけではない。もっと言うと、少なくとも本書で著者はそれを提出しようとは考えなかったはずだ。
著者は「複雑さに耐えること」「幻滅への慣れ」「悪さ加減の選択」を主張する。要は「考えたとは簡単に言うな」ということだ。それが副題である「現代民主主義復活の条件」なのだろう。

 「考える」ことがいかに困難かは、人類の歴史を見れば良く分かる。但し、人類は途方もなく「考えてきた」ことも確かだ。「冷めた楽観、ねばり強い楽観」という著者の言葉が明るく感じられたのは、そんなところにあるのかもしれない。
 例え足が徳俵に掛かっていても、押し返す力は、「社会」にはあるはずだ。
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By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
この本を読んで残った感想は以下のようなものでした。
「ポピュリズムの敵はポピュリズムである。ポピュリズがを滅びるのはポピュリズムによってである」

この本を読むにあたってポピュリズムとは何かを定義しておく必要があります。本の中ではあらゆる形のポピュリズムが
登場しますが、ここで行うのは一般的な定義です。
「ポピュリズム (Populism) とは、民衆の利益が政治に反映されるべきという政治的立場である」
大変良さそうな考えである。しかし一方
「ポピュリズムは”衆愚政治”という意味で用いられることもある」
”人気取り政治”と言い換えても良いかもしれません。この本の中で著者は、
ポピュリズムの政治家は、物事を単純化して二項対立(善か悪か。官か民か、ユダヤ人は敵か味方かetc.) に持ち込み、
自分たちに必要な政策に従っていれば、あなた達は幸せになると主張する政治家だと指摘します。
分かりやすくすることと単純化することは反対の概念だと思わなければならないかもしれません。
単純化することが本質を隠すということはいくらでもあることです。
本の中では名指ししていますが、あの政治家、この知事の顔が思い浮かびます。

で、結局、ポピュリズムはいいのか悪いのか(これも二項対立の単純化ですね)どちらでもありません。
冒頭の私の感想にもどると「ポピュリズムの敵はポピュリズムである。ポピュリズムに対抗しうるものはポピュリズムしかない」
のです。

「ポピュリズムは知識人に対立する運動(反知主義)として現れた側面もある」からです。
知識階級が牛耳っている政治を民衆の手に取り戻せということです。

ポピュリズムが武器として持っているのは選挙です。この選挙は丸山真男が言うように
「悪さ加減の選択」であることを肝に命じなければならないと著者は言っています。
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15 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 果たして、この国を正しい方向に進ませる方法はあるのだろうか?

 この本は、政治学者の山口二郎さんが、ポピュリズムの功罪を検証しながら、この国の政治を正しい方向に進ませるための方法を提示するものであるが、実際にこの本を読んで見ると、私は日本の有権者の質が、絶望的に劣化しているのではないかとつくづく感じてしまう。
 特に、近年の日本では、

 (1)選挙の度に、政治家やメディアが露骨な世論誘導作戦を行って、特定のポピュリスト政党への投票を呼び掛ける(と同時に、その政党だけがバカ勝ちする)傾向が非常に強くなっているが、
 (2)これらのポピュリスト政党は、首尾一貫したイデオロギーや、明確な国家ビジョンを全く持っていないため、肝心の目玉政策が行き詰まると、すぐにトップの首をすげ替えることで支持率の回復を図ろうとするが、
 (3)結局は短期間で支持を失って、次の選挙でボロ負けする(と同時に、別のポピュリスト政党が(1)と同じような形でバカ勝ちする)

 という、馬鹿げた現象が何度も何度も繰り返されるようになっている。そして、その結果が政治不信という、あってはならない事態を引き起こしている。
 そこで、著者の山口さんはタイトルにもあるような、ポピュリズムへの反撃(つまり、イデオロギーの対立の復活)や、間違ったステレオタイプの打破(と同時に、社会科学書などを読んで、政治家やメディアが流す情報のウソを見破る能力を高めること)などの必要性をこの本で強く訴えているが、これらの方法は、どれも上記の(1)から(3)の流れを断ち切るための、強力なツールと言える。
 だから、私はこの本を、政治不信を克服するための切り札書として、存分に活用して欲しいと思う。それと同時に、この本を使って日本の有権者そのものを徹底的に鍛え直さない限り、日本の政治の再生は100%あり得ないと断言出来るのではないだろうか。
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