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ポスト消費社会のゆくえ (文春新書)
 
 

ポスト消費社会のゆくえ (文春新書) [新書]

辻井 喬 , 上野 千鶴子
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

セゾングループの歩みを振り返ることは日本の戦後消費社会の歴史を考えること―消費社会論の研究者でもある上野千鶴子氏が元グループ総帥・辻井喬(堤清二)氏へのインタビューを通して、ポスト消費社会をどのように再構築していくか、その手がかりを探る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

辻井 喬
1927年生まれ。本名・堤清二。東京大学経済学部卒業。元セゾングループ代表。現在セゾン文化財団理事長。91年に経営の第一線を退いた後、作家活動に専念。詩集に『異邦人』(室生犀星詩人賞)、『群青、わが黙示』(高見順賞)、小説に『いつもと同じ春』(平林たい子文学賞)、『虹の岬』(谷崎潤一郎賞)、『父の肖像』(野間文芸賞)。また『鷲がいて』で読売文学賞詩歌俳句賞を受賞

上野 千鶴子
1948年生まれ。京都大学大学院社会学博士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は社会学、ジェンダー研究。著書に『近代家族の成立と終焉』(サントリー学芸賞)等、多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 321ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2008/05)
  • ISBN-10: 4166606336
  • ISBN-13: 978-4166606337
  • 発売日: 2008/05
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 236,542位 (本のベストセラーを見る)
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形式:新書
対談集というのは、片方が喋り過ぎてもう片方が相槌しか打たないもの(大方は、同じ分野の同じ立場の力の差がある人を組んでしまったもの)、全く噛み合っていないもの(大方は、分野や立場が異なり過ぎてどうにもならないもの)なども多く、難しいと思うのだが、本書は成功している。偏に、両者が賢いこと、質問者が的確な方向でズケズケと聞いていること(それでも、上野氏は丸くなったと思う)と「研究対象」がまずまず逃げずに答えていることにあろう。堤清二という不思議な経営者が何であったのかの一端が見えたことは(西武池袋線沿線で育ったこともあり)興味深い。やはり、豪腕な父に抵抗して東大で共産党に入党した学究肌の青年の延長という印象である。そのことは時代を変えたが、時代に振り切られたときには孤独であった。そのことはそのまま戦後経済史になっている。大量生産大量消費社会転換の立役者であった彼が何を考えていたのかを開陳しているし、バブル崩壊以降とは何であるかを経営者として厳しく見ていると思う。他面、「戦犯」としてまだその知る全てを語っていないという感想もないではない。特に、特異な堤家の実態、西武鉄道・堤義明との確執などは墓場まで持っていくのであろうか。きれいごとでは済まされなかった筈である。不動産屋が鉄道経営をしている、前近代的体質だったとされる(堤家は隆盛を誇っても、西武電車はいつまでも田舎くさく、鉄道というものを愛していない印象で、まともな労働組合も作られず、鉄道自体の近代化も遅れた)父と弟については何故か質問がなかったのか、解答がなくて編集でカットされたのかと勘ぐってしまう。それでも、日本的経営であるとか、高度成長に伴う日本の変化とか、経済と文化の関係とかを考えるのに必読の書であろう。男女雇用機会均等法の裏話も面白い(そう、堤清二はリベラルで合理的なのだ)。
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By お気に召すまま トップ1000レビュアー
形式:新書
堤清二と上野千鶴子の対談。ある時代状況が企業や文化の興隆・没落をもたらす過程を鋭くえぐり出す。堤清二が28歳で店長に就任した西武百貨店は、1975年から82年を経て黄金時代を迎え、「じぶん、新発見」「不思議、大好き」「おいしい生活」「ほしいものが、ほしいわ」といったパルコのポスターは、特定の商品宣伝ではなく、指示対象をもたない広告シニフィアンそのものが大受けした。これは稀有の現象であり、多様な商品を一定の空間に集め(百貨店)、一流ブランドのテナントを一箇所に集める(パルコ)という「空間プロデュース」が消費者の欲望にマッチしたからである。だが「時代に乗っかった者は、必ず時代に追い越される」(上野 p106)。エルメスもヴィトンもサンローランも、百貨店から出て独立の専門店舗をもち、他方では、スーパー、コンビニ、量販店などが、目的に応じた機能を果たすようになると、「空間プロデュース」としての百貨店はその輝きを失う。一方の上野は、彼女個人の成長期が日本社会の高度成長期と重なったことに、「将来は現在よりもよくなるという楽観論」を伴う「団塊世代のメンタリティ」を見る。全共闘世代の上野は連合赤軍事件によって、また、軍国少年だった堤は敗戦によって、ともにある時代の「理想」崩壊を体験したシニシズムを共有した。堤と三島由紀夫は親友で、「楯の会」の制服は堤と西武のプロデュースだが(p278)、二人を結び付けるのもある種の複雑なシニシズムなのだ。本書は、よくある世代還元論とは違い、まさにセゾンの当事者が、人間や企業の「形成期メンタリティ」と時代との共振やズレを多角的に捉えているので、優れた消費社会論、文化社会論になっている。
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形式:新書
 上野千鶴子というと“フェニミズムの論客”って印象があって、正直、こんなに柔軟な考え方の持ち主で、しかも消費社会論に精通している人だとは思わなかった。勉強不足だったな。それにしても、「堤さんと辻井さんとの関係は、本名とペンネームの関係が逆転している」「辻井さんのほうが幽体離脱して堤清二さんを見下ろし堤清二批判をしているので、超自我という感じを受けます」ってのは鋭い。「辻井喬のいない堤清二は、経営者のなかには溢れています」ってのもまさにその通りなんだけど、そこが堤/辻井の可能性でもあったし、今となってはズルイなぁって思う部分でもある。まぁ、「自分のことは棚に上げて」って方法論としてペンネームってのは有用だとは思ってるんだけどね。現実のがんじがらめから解放される、風通しをよくする方法論として、堤/辻井ほどの有名性はない一般人にとっても、ネットでの匿名性ってのはひとつの可能性だなぁって。
 もとい、この対談は西武(っつーかセゾン)文化の功罪ってのが一応総括されていはいる。「前衛芸術とは旧ブルジョワジーに対する自己差別化の記号」(ピエール・ブルデュー)でしかないにせよ、その西武のアバンギャルド性がやっぱ相当面白かったし、時代を造った訳でさ。上野千鶴子が「これは空前絶後の、二度と来ない広告の黄金時代」って絶賛する、広告から本来の意味(商品メッセージ)を取っ払っちゃったっていうさ!そのベンチャー・アバンギャルドだった西武の存在がいつの間にかエスタブリッシュメントになっちゃったってのは、テレビとか雑誌とかのマスコミ業界にも通じるんだけど、あのセゾン文化の時代をノスタルジーでも断罪でもなく、一種の可能性としてあらためて検証していく必要って切実にあると思うんだよねぇ。
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投稿日: 2010/1/10 投稿者: 某々
堤清二というハンドルネームを持っていた辻井喬という作家
 大変面白く読めた。

 一点目。一時期 猛威をふるったセゾングループの文化戦略への理解が深まった。... 続きを読む
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