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「差異こそ万歳!」というかつてのポストモダンの戦略が、「管理のポストモダン」に転化していき、これを顕在化させたのが9・11だったというのだ。
そうした「管理のポストモダン」の特質について、筆者はフーコーの「モダンな規律社会」の次の段階として捉え、そして、かつてアドルノ=ホルクハイマー、オーウェル、ハックスリーらが取り上げた「統制管理社会」とは異なり、人々の自由を全体とした「自由管理社会」であると捉えている。
筆者自身が「深淵だが濁っている言説より、浅薄でも明快な議論を私は選んだ」としているとおり、ポストモダンの流れを、監視社会論、ロールズらの政治哲学、ネグリの帝国論など幅広い視野を取り込みつつ、ここまで平易で分かりやすく整理・分析した書はあまり見られず、極めて大胆かつ貴重な本だ。
ただ、9・11以後の自由管理社会をいかに乗り越えていくかについての明快な解答は示されてはいない点が心残りではあるが、それを筆者に求めるのは酷だろう。おそらく誰もが解答を見出せていないのだから。
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