本書で解説されているAIの本来的な目標は、
A・H・マズローが「人間性の心理学(初版1954年)」「完全なる経営(初版1965年」で提唱した、
人の本性を踏まえたうえでの、個人と組織・社会の理想的な姿にあるのだと思われます。
これまで様々な組織改革・意識改革についての書籍が出版されてきましたが、
本書ほど人間の本性を踏まえてポジティブに改革を進めていく方法論はほとんどないと思います。
一方で、同時にAIを実践することの困難さも感じられます。
社内にマズローのいう「自己実現」「至高体験」を経験している人材が必要であること、
対症療法的に現象面の問題を解決することに忙殺されてきた会社には理解されにくいこと、
実践に膨大な時間と労力とコストがかかるため、これらを捻出することが容易でないこと、
特に日本では仕事を楽しむことよりも、苦しむことが美徳とされてきたこと、
などです。
従って、限界を見せているこれまでの組織・人材マネジメントのやり方からどれだけ早く決別できるかが、
AIの成否を左右することになるのだと思います。