安室をカタカナで書く…『アムロ』…。人気アニメの主人公だ。「バカ、あれは少年だ。安室ちゃんは女だぞ」と、叱られる? でも、安室奈美恵のステージを見ていると二つの性が見える気がする。少年『アムロ』と、少女『ナミエ』…。
安室奈美恵の歌声…。それは、蒼穹へ突きぬける高く凛々しい指笛のようだったり、大地や海原を風とともに滑りぬける流麗な草笛のようだったり…。そう、安室奈美恵の歌声は、天空に飛翔する鳥たちに呼びかける少年『アムロ』が吹く指笛と、風になびく大地の緑や海原の群青と語らう少女『ナミエ』が鳴らす草笛のコラボレーション…。
安室奈美恵のライブ…。熱く激しく、しなり、うねり、跳躍し、『アムロ』と『ナミエ』の表情が、重なり、離れ、すれ違い、万華鏡をのぞくような千変万化の華麗なパフォーマンスで魅せる。写真は、その一瞬一瞬の表情を切り取る。凛とした少年の横顔であったり、含羞に染まった少女の面差しであったり…。
ポケットサイズのこの写真集を見ても、やはり安室奈美恵の表情には、鮮麗な青春のきらめきがある。私生活では子を持つ母になった今もなお、ステージでの安室奈美恵の姿には、少年少女のような無垢な魂の清廉さが輝いている。そして、その歌声が響き渡ってゆく先に、澄んだ沖縄の空と大地と青海がイメージされるのが、この希有の歌姫の魅力なのだと思う。