この類の本では、サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」がありますので、それと比較してしまうと、どうしても星四つとなってしまうのですが、力作だと思います。著者は数学者ですので、数学的な説明も多くなっています。参考資料もしっかりと明記されています。
ただ、最終的に証明を完了したペレルマンの人となりに興味のある人には、余りお薦めできないかも知れません。最初と最後にちょっと登場するだけですから。本書のようなテーマを扱うものは、かなり過去の時代から延々と物語を繰り広げる必要があり、ポアンカレにしてもやっと後半からの登場でした。このあたりを如何に読ませるかが著者の腕の見せ所と思いますが、良く書けてはいるものの、サイモン・シンには及ばない、というところでしょうか。