どの作品も冒頭から惹きつけられる魅力的な内容だと思います。
また、ポアロの茶目っ気のある行動がでてくるところが面白いです。「マースドン荘の悲劇」という話の中には、犯人を追いつめるために、ポアロが知り合いの俳優に頼んで、幽霊の役を演じてもらい、犯行現場の家の中で被害者の亡霊を登場させて犯人を自白させる、というたちの悪いいたづらめいたことをしたり。また、「ヴェールをかけた女」の冒頭部分には、事件がしばらく起こらず、灰色の脳細胞が発揮できない日が続いて、すっかり退屈したポアロが「チャー!」なんて猫のくしゃみのような声をあげて「イギリスの悪党どもは僕のことがこわいんだ!」なんて言って、新聞を放りだしたりと、なんともかわいいシーンがでてきたりします。
ただ、他の方も書かれているとおり、長編に比べると、やはりトリックや解決シーンはちょっとあっけなさを感じた話もありました。
本を読みたいけれど、あまり時間がとれないとか、長編だとすくに飽きてしまうというときに手軽に楽しむぶんにはいいと思います。