ちょっといいヘッドフォンで聴いてください。楽しいですよ。イヤホンじゃかなり上位機種じゃないと魅力が半減します。
単にキラキラポップを求める方にはおススメしません。
「FAME」「MONSTER」を経て(悪く言えば奇抜&セックス/過激さでリスナーを“釣って”)世界一のポップスターまで昇りつめたからこそ、初めて安心して“やりたいこと”をやり始めた印象を受けました。
Born this way始め、売れない頃はまずやらなかったろうなーって感じのあからさまにメッセージ性の強い曲を多く打ち出してます。特に欧米特有の宗教テーマを出してますね。(この辺の感覚は日本と海外リスナーの間で衝撃が違うだろなあ)
その辺の売れない歌手がいいこと言っても「ふーん」ですが、ガガ級のスターになると「注目せざるを得ない」ですからね。最大限まで注目を惹きつけてメッセージを叩き込む。頭の良い女性です、ほんとに。
出来れば英詞の歌詞カードを見てください。
「わたしはわたし」と言うかガガなりの人生賛歌に聞こえます。そして「あなたもあなたらしく生きて」。
サウンドは全体的にロック寄りかな?そのまんまバンドサウンドに持っていけそうな曲も多く、ガガのボーカルがやや控えめです。(カラオケ向きでない感じ)80年代の雰囲気を濃く感じます。
前作ほど一曲一曲のテイストがくっきり別れてないので、よくも悪くも聞き流してしまいやすい。個人的には口ずさみたくなるキャッチーさに欠ける後半は(初聴では)怠く感じられました。スルメなんでしょうけど。しかし耳慣れしてくると前半の重々しい展開から軽やかに落ちていく後半はなかなか心地よく感じます。
超キャッチー!な踊り狂いたくなるような目立つキメ曲が少なく、音の系統がまとまりすぎて起伏が薄いだけに物足りなさは拭えませんが、逆に言うと敢えてこう言う好き嫌いの別れる構成にしたのは勇気があると思います。キャッチーなだけのカラオケソングなら彼女なら幾らでも作れたでしょうから。(実際雰囲気を変えたBorn this wayに対して後発のJUDASで敢えて前作の路線継承してますし)
何を作ればウケるか分かってるのにそれをしない。それは彼女は彼女だから。
「私はあなたの女の子にもなれるのよ、でも私が世界を掌握しちゃってもあなたはまだ『私』を愛してくれる?」と彼女は訊きます(heavy metal lover)
「完全無欠のスターとして満足させてくれ!と期待をかける」よりも「スターとして生きることを選んだ一人の女性として何を繰り出してくるかを楽しみにする」のがレディー・ガガと言うアーティストの楽しみ方だと思います。
耳に合わずに失望を感じた方も投げ出さないで欲しいですね。
もう彼女は富も名声も求めなくていい、(腐るほど持ってますから)、セックスネタさえ出しときゃ満足な大衆連中にも媚びなくてもいい、
だからこそ彼女の思い描くアートがここから本当に「始まる」、そんな気がしませんか?
JudasのPVは彼女の初監督作品だそうですよ。