ボードレールの詩集をやっと読んでみた。それ以前の、詩集とボードレールとは、ある意味で一線を画しているといえる。ゲーテとかバイロンとか、その前の時代まで純粋に詩集と呼ばれているものとは明らかかに違うのだ。この後の、ランボーとかロートレアモンとか、明らかに、ボードレールの延長線上のものを感じるし、それからいうと、19世紀中ごろの世界の変革の中から、生まれるべくして生まれてきた詩人といえる。
そこには、「悪」や「死」という今まで忌避されてきたテーマが扱われていて、しかも「ロマン主義」の終わりといったテーマも出てくる。文明と時代に脅かされていたこの時代に、敏感に、その時代感覚を汲み取り、表現した最初の詩人といえる。
好き嫌いはあるにせよ、時代の必然として生まれてきた彼の詩には、何らかの大きなメッセージを読む者すべての与えざるを得ないと思う。それをどう受け取るかは別として、深く考えさせられる偉大な詩集である、と思う。堀口大學の訳は知らないけれど、これはとても読みやすい訳で最後まで読み通すことが出来た。