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ボーダーライン (集英社文庫)
 
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ボーダーライン (集英社文庫) [文庫]

真保 裕一
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

天使のような笑顔で人を殺す若者、安田信吾。自らの命を賭けて信吾を捜しに渡米した父親。ロスで働く探偵・永岡の長い旅が始まった。ハードボイルドに新天地を開く傑作!(解説・関口苑生)

内容(「BOOK」データベースより)

ロサンゼルスの日系企業で働く探偵のサム永岡は、一人の若者を探すように命じられた。国境に近い町で見つけた彼は、天使のような笑顔を見せながらいきなり発砲してきた―。人としての境界を越えた者と、そんな息子の罪を贖おうとする父親。ふたりにかかわった永岡もまた、内なるボーダーラインを見つめる…。重層的なテーマが響く傑作長篇。

登録情報

  • 文庫: 592ページ
  • 出版社: 集英社 (2002/6/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087474518
  • ISBN-13: 978-4087474510
  • 発売日: 2002/6/20
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 364,519位 (本のベストセラーを見る)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 本作では,純真無垢な子供のように微笑しながら,喜んで虐殺行為を繰り返すという人物が描かれる。幼子が昆虫などを相手に,残酷な遊びをすることがあるが,善悪を知らない幼児の精神そのままに,肉体的に成熟し,残酷な行為の相手が虫から人間にかわってしまったのだ。

 もし自分の愛する子がそのように育ってしまったら,親として,あるいはそのような人物と関わりをもったものは,どうしたらよいだろうか。本作の問いかけの一つである。

 著者は本作以前の「小役人シリーズ」では,社会問題を取り入れてきたが,本作ではより普遍的な「悪」が問題として取り入られているのだ。その結果,かえって読後の印象は薄くなった。作品が面白くないのはない。ただ,社会問題に巻き込まれた主人公のモラルを描くのと,悪に対峙した主人公のモラルを描くのとでは,作者に要求されることが異なってくる。

 社会問題ならば資料集めをすればよいが,悪を説得的に描くには,自身の心のなかの虚無を徹底的に観想する作業が不可欠だ。体験しない悪を読者に説得的に提出することはできない。
 小説として面白く書けているから,読んで損はないが,著者の本領が十分発揮されているとは言い難いと思う。

 

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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 鈴木純一 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
ロサンゼルスで日系信販会社の調査部に勤めている探偵(調査員)が主人公のストーリー。ある日本人を捜す依頼を受けて調査を始めると、その相手は人なつっこい顔で握手をするように簡単に人を殺す殺人鬼だった。彼の行方を追う父親も登場し、主人公はさらにこの父親も追うことに。相変わらず詳細で緻密な描写が随所に見られ、カリフォルニア南部とアリゾナ南部を丹念に取材したことが伺えます。登場人物の会話(の文章)が冴えているのも相変わらずで、その独特の世界へ心地よく吸い込まれていきます。

一言で言えば「生まれながらの犯罪者というのは存在するのか」というテーマを背景にしたハードボイルド。決して目新しいテーマではないものの、笑顔のまま他人を撃ち抜ける精神は先天的なものなのか、教育の問題なのか、社会的な要素が影響するのか等々、父親と探偵が夜を明かして議論する過程は読ませるし、考えされられることも多かった。タイトルの「ボーダーライン」は、殺人鬼が密輸商売をやっているアメリカとメキシコの国境という意味だけでなく、物語のあちこちで(それとなく)触れられている目に見えない境界線(殺人鬼と普通の人、社会と個人、会社と個人、親と子、愛情と憎悪、モラルと犯罪など)のことも示唆しているのだろう。

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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
悪とは何か? 2004/12/19
By たこやき21 トップ1000レビュアー
形式:文庫
笑顔で人を殺す「サニー」、それを追う私立探偵の主人公・サム永岡。
ストーリーの中心は、この追走劇になるのだが、その過程で、日本に生まれながらアメリカで探偵家業を行い、永住権を持つこととなった永岡がそれまでに接してきた犯罪者達の記憶が表れる。「生来の犯罪者は存在するのか」「犯罪者とそうでないものを隔てる境界とは何か?」という問題へと突き進む。

ストーリーとしてつまらない、ということは無い。だが、テーマが壮大過ぎて、いささかピンボケしているような印象があるのは否めない。そのため、他の作品と比較するとやや地味な印象が残る。

深く考えさせられる作品であることは確かなのだが。

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