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ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫)
 
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ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫) [文庫]

内堀 弘
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 998 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

1930年代、自分で活字を組み、印刷をし、好きな本を刊行していた小さな小さな出版社があった。著者の顔ぶれはモダニズム詩の中心的人物北園克衛、春山行夫、安西冬衛ら。いま、その出版社ボン書店の記録はない、送り出された瀟洒な書物がポツンと残されているだけ。身を削るようにして書物を送り出した「刊行者」鳥羽茂とは何者なのか?書物の舞台裏の物語をひもとく。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

内堀 弘
1954年生まれ。1980年に古書店「石神井書林」を開業。詩歌書を専門に、1920~30年代のモダニズム文献を扱う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 294ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/10/8)
  • ISBN-10: 4480424660
  • ISBN-13: 978-4480424662
  • 発売日: 2008/10/8
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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17 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 巧すぎるよ、内堀さん!, 2008/10/15
By 
Sebastian Flyte (Brideshead) - レビューをすべて見る
(トップ1000レビュアー)    (VINEメンバー)   
レビュー対象商品: ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫) (文庫)
本書の元版は1992年に白地社から出版されたが、長らく絶版であり現在の古書価は定価の倍以上になっている。私は最近それをほぼ定価で入手できたので喜んでいたら、この文庫化である。タイミングの悪さに悔しがっていたのだが、本書の「文庫版のための少し長いあとがき」を読んだら、そんな思いはどこかに消えてしまった。普通ならわざわざ同じ内容の本を2冊も買ったりはしないのだが、この文庫版は特別である。

その「あとがき」は是非多くの人に読んでいただきたい。そこには、元版の刊行後に新たに判明したボン書店店主の鳥羽茂に関する事実が記されているからである。そのきっかけは、著者への鳥羽茂の実の妹からの連絡だった。それによって出生地や出生年、その最期が明らかになる。そしてさらには鳥羽の一人息子が存命であることを知る。

「巧すぎるよ、内堀さん!」とは解説を書く長谷川郁夫氏の言葉。この言葉は、「あとがき」を読んだ者にしかわからないだろう。これを読むだけでも買う価値はあろう。涙なくして読むことはできないとだけ言っておく。
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 見えてくるのは昭和初期の爽やかな青春の姿, 2009/7/8
レビュー対象商品: ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫) (文庫)
 ごく素直に「いい本」といいたい本だ。
「ボン書店」という出版社をたった一人で経営し、優れたセンスとデザイン感覚の詩集を三十数冊出版した後、たった28歳で病死した鳥羽茂の足跡を、古書店の店主である著者が探っていった本である。
 本の「作者」のように注目されることはなく、たんに本の奥付に名は残すのみの「出版人」を、作者が愛情をもって探っていく姿がまず良い。そして、その結果見えてくるのは、昭和初期のモダニズムの詩が流行の最先端だった時代に、青春をモダニズム詩に賭けた、当時の最もトガっていた若者たちの姿だ。インターネットも、ラジオさえもなかった時代に、小さな印刷機だけを武器に田舎町から作品を全国に発信していた中学生(旧制)たちの姿。そしてそれを受信し、投稿という形で情熱を伝えあっていた姿。この時代の若者たちはこんなふうに夢を伝えあっていたのかとおもう。
 全体に貧乏な話でもあるのだが、不思議と暗い印象が無いのは、モダニズムというのが日本の文学史上空前絶後といっていいほどに爽やかな明るさを持った文学運動であったことと、そして鳥羽茂が決して営利を求めつつ失敗して貧乏だったわけではなく、採算を度外視して美しい本を作ろうとして貧乏な状態に陥っていた、その志の明るさを感じるからではないか。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 鳥羽茂!, 2009/5/8
レビュー対象商品: ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫) (文庫)
昭和初期の本当に小さな、小さな出版社「ボン書店」。その実質1人だけの出版社の刊行人・鳥羽茂とはどんな人物だったのか。古書店を営む著者が様々な資料を基に、存命の方に話しを聞き、時に丁寧な推考を重ね、浮かび上がってくる出版社の心意気と覚悟を集約させた、刊行物。そこに込められたその心意気と覚悟が、青臭いと言われようともアマチュアリズムからしか醸し出せない尊い何かを感じさせるそれでいてプロの、仕事としている出版社、ボン書店。私個人は詩についての造詣が深いわけでも無く、ほぼ全員知らなかった詩人さんたちのことよりも、時に写真で出てくる(本当にここは無理してでもカラー写真にして欲しかった!)本のとても綺麗なことから、著者の、そして刊行人の仕事の質の高さを感じます。

「はじめに」という前書きで著者の内堀さんが言い表す、本を著者だけのものとしない、著者以外の、発刊に関わったすべての人々に対するやわらかですけれど、とても低くそして深いまなざしが印象的でした。書物の舞台裏の話し、それもとびきりの「伝説」と言える昭和初期の物語。文庫版のための少し長いあとがきで明かされる衝撃的最後の真実、もう一級品のノンフィクションです!

出版業界に生き、そこに全力を注ぎ、儚くも消えていっていった、まさに幻で、伝説の「ボン書店」に関する本です。いたずらに『幻の』とか『伝説の』という単語を使うことに抵抗ある私でも、その両方を使いたくさせる鳥羽さんの生涯を思うと、とても身が引き締まります。またきっと奥様の存在は大きかったと思います。文庫本のための長いあとがきで明かされる顛末に、悲しい思いを持ちました。

本以外の世界でも、おそらく多くの鳥羽さんの心意気を持った方がいたであろうことにも気づかされる、舞台裏でありながらも素晴らしい世界へ、興味のある方にオススメ致します。世界は表舞台だけで出来ているわけでは当然ですがありませんけれど、舞台裏の精神が、必ず表舞台に表れるものですから。
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