埼玉県の羽生市で不動産投資をし、それが高じて遂には自らが「不動産業者」となってしまわれた
「麦わら帽子がトレードマークのオバチャン」が説く大家さんの在り方。
実は私は不動産業者に勤務している者なんですが、同じ会社に著者ご本人とお付き合いのある社員がいます。
その縁で今回、著書を読破させていただくことになりました。
不動産投資で著書を出している方は圧倒的に男性が多く、女性で著書まで書いてる方は非常に珍しい。
彼女のやり方は「中古アパート」もしくは「中古戸建」を購入して、リフォームを入れて再生させ、
入居者を満室にして運営。適当な時期を見付けて順次物件を売却していくという方法です。
ですので、基本的に他の方が見向きもしない「ボロボロ」「オバケ屋敷」状態の物件を購入して、
高利回り・高稼働の物件に生まれ変わらせた実績がいくつもあり(物件所在地はご自宅周辺の埼玉の地方都市ばかり)、
正に「不動産業界の野村再生工場」とでもいうべき存在である。
この本の構成としては大まかに
1.競売でのボロ物件の取得の流れ
2.取得した物件の具体的なリフォームの入れ方(再生の実践編)
3.リフォーム完了後の大家さんとしての店子の募集の仕方・大家業のやり方
の3つに分けられると思います。
つまり内容を一言でいうならば「管理重視」。
物件の管理の仕方を中心とした内容になっております。
だから、この本の内容を他の方が役立てようと思うならば、「既に物件を1つでも持っていること」が前提かと思います。
逆にこれから具体的に物件を探して、不動産投資を開始しようと考えている方は「優良物件の取得の具体的な方法を学べる」と期待しないで下さい。
その目的で読んでも得られるものはほとんどないと思われます。
著者の述べられている物件取得の数少ないポイントとしては
1.「利回りが最低でも15%以上であること」
2.「建物に雨漏り・シロアリ・水周りの不備がないこと」
くらいで、後は立地が悪かろうが、部屋が多少暗かろうが、日当たりが良くなかろうが、100人中1人でも住もうという人がいれば大丈夫!と、非常に強気。
駅から離れているような場所は駅に近い場所に比して競争力が劣るため、ライバルになるような賃貸物件の乱立で共倒れする確率が低いとも言われています。
↑こういう考え方は確かに他の投資家の方には見られない傾向かもしれませんね。
普通の方ならまず間違いなく「駅から徒歩10分以内」という条件で取得物件の立地は絞ることでしょう。
ご本人が地元重視で、地の利のないところには物件は買わない方だからかもしれませんね。
地元の人間だからこそ、土地勘があり、その立地の持つ本当の集客力が分かる。
よって、駅から離れていても不安に感じる必要がない。これは孫子的な「地の利を生かす発想」ですね。
読んで分かるのですが、鈴木氏の手法は「石原博光」氏の手法と非常に似通った部分が多い。
・どちらも利回り15〜20%の中古アパート・戸建派。
・どちらもリフォーム再生による高稼働を目指す派。
両者の著書を続けて読むとそれが顕著であると分かるはずです。逆に両者の異なる点は
・石原氏は地方重視。鈴木氏は地元重視。
・鈴木氏は管理を中心とした本の内容。石原氏は優良物件取得を重視した内容。
・鈴木氏は融資付けに関しては全くと言っていいほど記載していない。
しかし、両者共に不動産投資では一定の成果を上げていることからやはりこの2人の著書はセットで読破するのがよいかと思われます。
鈴木氏は理論よりも「自らの現場での経験を重視した感覚派」。
石原氏は逆に「理論で納得させるものがある」。
どちらが優れているということではなくて、どちらも凄い!ということになります。
正に「人は見かけでは量れない」の喩え通り。
この「麦わらのオバチャン」は漫画「ワン・ピースの主人公・ルフィ」以上の額の懸賞金が懸けられるべき大物に相違ありません。