これまで、国際関係の本は難しいと決まっていた。北野氏
は、「ボロボロになった覇権国家」でこの常識に挑戦している。
国際関係をわかりやすく、中学生でもわかるように、一貫性
のある論理で解説している。
北野氏を批判する人は、「世界はそんなに単純ではない。
もっと複雑だ」と言う。しかし、彼らは重要なことを忘れている。
それは、「複雑な解説をしている人の予測が全く当たってい
ない」と言う事実である。
読者としては、複雑で難解な上に、結論も曖昧。さらに、予
測が当たらないときては、読む気もうせるし、読む意味も見い
出せない。一方で、「単純な」北野氏の予測は、ことごとく的中
しており、それは、誰にも否定できない事実である。
北野氏は、田中宇氏や増田俊男氏と比較されることが多い。
しかし、この3者をじっくり比較検討している人は、3人の言う
ことが根本的に異なっていることに気づくはずだ。増田氏は、
「アメリカの覇権は永遠に続く」と言い、北野氏は、「アメリカ
は覇権国家から没落する」と主張する。田中氏は、「アメリカ
はイラクを攻めない」と断言し、北野氏はアフガン戦争直後
から「イラク戦争は不可避」と語ってきた。
複雑で難解な解説を好む「評論家マインド」の人たちは、
「単純さを受け入れる」素直さを持つべきではないだろうか?