最もよく知られているテクニカルインディケーター「ボリンジャーバンド」の開発者が、その効果的な活用法を自ら解説する!
相対性原理が解き明かすマーケットの仕組み 本書は『Stock Trader's Almanac 2002』誌でイヤーズ・トップ・インベストメント・ブックスに選ばれました
ボリンジャーバンドそのものは、あまりにも有名であり、ここで改めて解説するまでもないと思うが、移動平均線とボラティリティを基にした極めて統計学的に合理性のあるテクニカル分析ツールとして、知らぬものはないと言っていいと思う。
しかしその利用法については、巷に流布しているもののなかには必ずしも適切でないものもあったようである。著者自身が述べているように、ボリンジャーバンドに関する神話で最も有名なものは、価格が上部バンドと交差したときに売り、価格が下部バンドと交差したときに買うといった、平均値への回帰を前提とした逆張りでの利用法である。ところが、ボリンジャーは本書の中でそういった単純な利用法をやんわりと否定しているのである。むしろ彼の核となるテクニックは、ボラティリティ・ブレイクアウトにボリンジャーバンドを使った順張りである。これはほとんどの読者にとって驚くべき事実であろうと思う。
さて、ボリンジャーが一貫して本書で説く概念は、相対性、自主性、そして客観性である。マーケットに限らず、絶対的な真実、尺度といったものは現実社会には存在しない。同じ事象に関しても、立場や考え方が異なれば理解や解釈の仕方が異なり、従ってそれに対する対応も異なってしかるべきなのである。著者が説くようにすべては相対的な存在であり、もし誰かが唯一絶対的なルールや尺度を当てはめてうまくやっていると主張したとしても、それは狭く限定されたパラダイムの中でのローカルルールに縛られているにすぎない。そしてもしそういった態度でマーケットに臨むならば、早晩苦い思いをすることになるであろう。
また、ボリンジャーは自主性についても多くのスペースを割いており、トレードにおいては、それが極めて重要であると言う。たしかに、わざわざ危険をおかしてマーケットに参加する以上、すべての意思決定、行動は他人から与えられたものではなく、あくまで自分が自分の意思で主体的に選び取ったものでなくてはならないはずである。
さらにボリンジャーはトレードにおける客観性を繰り返し説いている。特に価格とボリンジャーバンドとのタグそのものは、単独では決定的な意味をもたず、必ず他の何らかの指標による裏付けが必要であるというくだりは大変興味深い。またいわゆるシステムトレードにおける最適化の問題にも多くのページを割いており、そこでも客観性の重要さが強調されている。
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46 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
指標の考案者によって書かれた上質の解説書,
By
レビュー対象商品: ボリンジャー・バンド入門 ― 相対性原理が取り明かすマーケットの仕組み (ウィザード・ブックシリーズ) (単行本)
相場をやる人なら、ボリンジャーバンドという指標を一度は耳にしたことがあると思います。標準偏差を移動平均の上下にしたのがボリンジャーバンドで、標準偏差バンドなどとも呼ばれます。ボリンジャーバンドという名称は考案者であり、本書の著者であるジョン・ボリンジャー氏の名前を付けたものです。著者はさまざまなパターンでのボリンジャーバンドの使い方を丁寧に解説しています。テクニカル分析に詳しい人なら十分に理解できますし、テクニカル分析力をアップさせたい人は、是非とも読んでおきたい1冊です。
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ボリンジャーバンドを利用する人は必読,
レビュー対象商品: ボリンジャー・バンド入門 ― 相対性原理が取り明かすマーケットの仕組み (ウィザード・ブックシリーズ) (単行本)
テクニカル分析では必ずと言っていいほど利用されるものですが、その本来の意味を理解して利用している人たちは意外に少ないものです。相場の研究を開始するといつか統計学に辿り着いてしまうと思いますが、その中でも標準偏差という考え方があります。標準偏差を利用し、過去のデータに遡り、逆算して導き出したものがボリンジャーバンドです。 著者自身、これはテクニカル分析とファンダメンタル分析の融合であるラショナル分析だと述べていますが、そういう捉え方もできるかもしれません。 特に参考になった点はバンドスクィーズとダブルボトムの考え方です。 これはボリンジャーバンドを利用してトレードをする方なら一度は読んだ方がいいと思います。
21 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
誠実さと欺瞞,
By 銀鼠 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ボリンジャー・バンド入門 ― 相対性原理が取り明かすマーケットの仕組み (ウィザード・ブックシリーズ) (単行本)
テクニカル系の解説書は使用する指標が万能であるかのような説明に終始しがちです。筆者のスタンスで感心したのは「ボリンジャーバンドを描くために使用した計算方法が統計学的な妥当性を持つと断言できると思っているわけではない」と断言している点です。ルボー・ルーカスの「マーケットのテクニカル秘録」では統計的意味のあるデータサンプルは最低でも30個必要である点を指摘しています。ボリンジャーバンドのデータ数として20日移動平均を筆者は勧めていますから、一種のフィクションである点を明確に認めている態度は誠実であると評価出来ます。 そのうえで、ボリンジャーバンドの活用法についての解説が展開されます。株価のボラティリティを計測するためのツールとしてボリンジャーバンドが非常に有効である点は納得ができました。 日本ではボリンジャーバンドをレンジ相場における「売られすぎ・買われすぎ指標」として位置づけけていますが、筆者はボリンジャーバンドをそのような目的のためだけに使うのではないことを明快に解説してくれます。ボリンジャーバンドの下限に株価がタッチしたら買い、逆は売りという戦略は、本書の「バンド・ウオーク」「スクイーズ」といった章を読めばそれらがボリンジャーバンドのメインコンセプトから外れていることにすぐ気がつくことでしょう。 ただし、ボリンジャーバンド以外の指標を併用することで予測確率を向上出来るという矛盾(指標の併用は確率の積であるから結果として予測確率は低下する)や、本来株価とは相関性が無いことが判明している出来高分析によって、ボリンジャーバンドの足りない部分を補おうとする姿勢は納得出来ませんでした。
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