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ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)
 
 

ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21) [新書]

保木 邦仁 , 渡辺 明
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

最強将棋ソフトとトップ棋士、最高の頭脳による最前線の戦い。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

保木 邦仁
1975年、札幌市生まれ。東北大学理学部卒。専門は物理化学。トロント大学で研究生活を送っていた2005年にコンピュータ将棋ソフト「Bonanza」を開発。2006年の世界コンピュータ将棋選手権で初出場初優勝を飾り話題となる。2007年4月より、母校の東北大学大学院理学研究科にて助教を務める

渡辺 明
1984年、東京都生まれ。日本将棋連盟棋士。所司和晴七段門下、九段。2000年に史上4人目の中学生棋士としてデビュー。早くから頭角を現し、2004年の第17期竜王戦で初タイトルを獲得。2006年には最多タイ記録となる3連覇を達成。ポスト羽生世代の筆頭的存在(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 182ページ
  • 出版社: 角川書店 (2007/08)
  • ISBN-10: 4047101079
  • ISBN-13: 978-4047101074
  • 発売日: 2007/08
  • 商品の寸法: 17 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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28 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:新書|Amazonが確認した購入
IBMのDeep Blueがチェスの世界チャンピォンを破った際、世間の耳目を集めたが、将棋・囲碁ソフトに関してはマダマダというのが一般的見解だった。ある局面における選択手の場合の数が桁違いに大きいからである。それが2007年3月に行なわれた、本書の執筆者の保木氏の作成した将棋ソフト"ボナンザ"vs渡辺竜王の公開対局が見方を一変させた。ボナンザが予想外に健闘したからである。それも本書を読むと、実際には報道以上に肉薄していた事が分かる。ソフトウェア開発を生業とし、家では将棋ソフトとヘボ将棋を楽しむ私は大いなる興味を持って本書を読んだ。

ボナンザの特徴は"ゲームの木"に対する「全幅探索」である。それまでの将棋ソフトは「選択的探索」法を取っていた。即ち、「見込みがありそうな」パスだけ深く読むという戦法である。この方法は人間の思考法に近く、保木氏によると日本人の美意識によるという。しかし、この方法は見落としもあるし、見込みがあるか否かの判断は過去のプロ棋士の手等を参考にするしかない。これではトップ・プロに勝つのは不可能である。そこで、保木氏はコンピュータらしい方法を採った。それが「全幅探索」である。持ち時間の関係で、初手から最終手までは「全幅探索」できないが、ある範囲で「全幅探索」するのである(実際は巧みに枝狩りする)。これなら見落としはないし、アルゴリズムも単純である。ある局面の評価関数をうまく調整できれば、無敵である(時間制限がなければ)。"目からウロコ"の方式で、最もコンピュータの特性を活かした方式である。

渡辺竜王が対ボナンザ対策を綿密に練っていた事にも驚かされる。竜王として絶対負けられないとのプライドがあったのだろう。しかし、ボナンザvs渡辺竜王の対決を人間とコンピュータの対決と考えるのは誤りであろう。ボナンザは人間の作った道具である。竜王と言う将棋の超人に対し、将棋の素人がボナンザという道具を使って互角近くに戦えるという点が"夢"なのだと思う。保木氏が言う通り、道具には改良の余地がある。更に改良した道具で挑戦して欲しいし、棋士の方にも更なる棋力の向上を目指して頂きたい。個人的には、改良ボナンザvs羽生の闘いが見てみたいのだが...。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
開発者がまとまったものを書いているのは少なく貴重。でもどちらかというと将棋ファン向きか。

探索の枝刈りの一般説明とかもあり、「全幅探索より選択探索の方がハードの速度が厳しい」p.33というわかりやすい記述もあるが、「棋譜サンプル数の不足に起因するオーバーフィッティングを回避するため」p.28と前段なく書かれたりしていてちぐはぐなところあり。

チェスの名人は7-8手先を、ディープブルーは10手先を読むp.18とあり、渡辺竜王は「数手、あるいは数十手先の局面を想定し」p.134とあったり、ボナンザ対局の中では10数手というのもあったそうだ。「ボナンザ囲い」p.56というのがあるとか、竜王は対戦前にボナンザで100局以上打って研究したp.55とかは意外だった。

将棋の先手勝率は52%だとかp.139、将棋では最善手は1つ選択肢がせいぜい5つだが囲碁ではずっと多いp.140というような情報も面白い。
このレビューは参考になりましたか?
23 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ゴルゴ十三 殿堂入りレビュアー トップ100レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
コンピューターチェスの世界では常識だった「全幅探索」を基本とする探索手法として採用し、機械学習の手法で過去の膨大なプロ棋士の対局データを再現するように思考プログラムのパラメータ調整した結果、なんとも人間っぽい指し手を繰り出すコンピューター将棋"BONANZA"が誕生した… その開発過程がBONANZA作者によって詳細に語られます。そして渡辺竜王が解説する「人間の思考回路(→大局観)」と「BONANZAの思考回路」のギャップに驚かされます。人間の思考回路がTop-down的なのに対し、BONANZAの思考回路がBottom-up的なわけです。ここでP.W.Anderson教授の"More is different"(量が増えれば質が変わる)を思い出しました。これは「ミクロな構成要素が多数集まると集合体のマクロな性質に新しい構造が生まれる」という着眼の仕方なのですが、BONANZAが全幅探索により思考量を徹底的に増やしたことで思考の質の変化を促したのではないか、とも思えた訳です。(何原子集まれば生物となり得るか、とか、人間の脳細胞が何個集まれば脳らしく振舞うか、という"相転移"・"創発"の話題とも関係してますね。"集合+構造"がkeyです)「BONANZAのアルゴリズムはきっと何かに応用される」、それはこういう自己組織化の分野ではないか、と想像(妄想?!)すると愉快でした。

本書は一般読者には敷居が高いと思われる記述(専門用語)が多いかもしれません。特に保木氏の文章は数理分野の素養がないと辛いかも。そこに挫けない読者は本書を興味深く読み進めることが出来るでしょう。あと「ボナンザv.s.竜王」の棋譜を初手から終局までの全手順を何処かに載せておいた方が読者に親切だったのでは?(Google検索「渡辺竜王 ボナンザ 棋譜再現」で棋譜再現サイトと渡辺竜王の対局解説のブログ記事が見つかります。そう言えばGoogleの検索エンジン(評価関数)にも知性が感じられますね...)
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投稿日: 2007/8/15 投稿者: ぶーのん
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