小学校教師の夫(仲好善仁)、専業主婦の妻(小好)、小学1.2年の二人の息子(正直と公平)、4人家族の日常を描いた作品。ギャクというよりも作品紹介にある「ホームコメディ」という言葉がはまっている。
舞台は著者の作品ではお馴染みの武蔵大和市。東京都心から電車で一時間ほどのベッドタウン。なのに、家や街並みはアーリーアメリカン調?で、みんなの服装もアメカジっぽい。ついでに髪型もそれっぽい。
で、その絵柄なのだが・・・
ところどころ名残は残っているものの、絵があまりにも変化していることに驚いた。以前から誰にも真似できない個性的な絵であったが、それ故に器用なマンガ家だとは思えなかっただけに本当に驚いた。
人物の強烈なディフォルメがなく表情も体型も人間?らしい(しかも皆愛嬌があって可愛らしい)。描線も略画手帖のようなタッチに変化した。今まではなかった線の強弱もついている。背景も最小限しか描かれない。スクリーントーンを使わずベタ塗りがまったくといっていい程ないので画面全体が白い。吹き出しをほとんど使わないセリフ。これらが相俟って独特の雰囲気を持つ画面となっている。いままでの作品が書き込みの魅力だとすれば、この作品には省略の魅力がある。別のマンガ家の画面かと見紛うほどだ。
笑いの質にも変化が見られる。
今までの作品が持っていた、露悪的といえそうなくらい強烈な、言い換えれば柄の悪いともいえる笑いが、この作品ではそれがふわりとした笑いに変化している。
善仁の趣味は、諺や名言・名句を読むことなのだが、毎回のツカミやオチに諺や名言・名句が(善仁の心の声?作者のつぶやき?)使われる。これが実に良い。そのままでも充分おもしろいのだが、これによりおもしろさが倍増するように思う。
「実録!関東昭和軍」の連載終了後、著者の進む方向がどうなるかを心配していたのだが、心配は無用だったようだ。
どこまで、名言・格言ネタが続くのかわからないが4巻以降(レビュー日現在3巻まで刊行中)の発売がとても楽しみだ。