普通「警察小説」というと、大事件があって、犯人を探して・・・、という筋のものが大多数ではないかと思う。
そこから見る、犯人象にいきつくまでのところとか、警察の政治的部分を見ることが警察小説の本質ではないかと思っている。
しかし本作は、それらのモノとは少し違った作品となっている。
警察官になった理由は振られた彼女を見返すため、警察手帳には元カノのプリクラを貼っている等、普通の警察小説の主人公では考えられないことを次々に起こす。
だが、主人公・高木聖大や、上司、先輩、同僚などの言動からは「あるある」とうなずかされることが多い。
小説とは、「娯楽」である。
読者に「面白い」と思わせる作品を作ること、これが作者がまず考えなければいけないことだ。
だが、それと並行して考えなければいけないことがあると思う。
それは「共感」と「教え」だと思っている。
例えば、登場人物が失敗をして、説教をされているシーンを読んで、「そうだよな」「自分も同じようなことがないよう反省しよう」と思わせること、これが小説家に課せられた使命だといってもいい。
その点では、本作は非常に優秀な作品の一つであると思う。
きっと誰でも共感することが数多くある。
だから多くの人に読んで欲しい、そんな作品だ。