やはり現在の韓国映画は熱を帯びていますね。この映画も、思い描いたアイデアを、手を抜くことなく果敢に実行に移しているカメラワーク、日本の女優にはない美しさをたたえた女優たちの自然であざとくない演技、時間軸が過去と現在を行き来し、物語の全貌が明らかになる、その余計な説明を省いた鮮やかな手法など、ホラーやスリラーというより、よくできた人間ドラマ、怖いというより悲しい映画に仕上がっていると思いました。
エレベーター、邸宅、階段、雨、ベートーベンの月光、絵画など、ミステリーを盛り上げる道具の使い方も上手い。道具のひとつである携帯電話やパソコンを通して主人公を襲う出来事は、本当に恐ろしい出来事があらわになっていくきっかけにすぎません。
結局は、日本のテレビの2時間ドラマを思わせる痴話なのですが、抑制の効いた演出と演技によって、見るものをジワジワ~ッと引き込む趣がありますね。現代を舞台をしながら、映画のムードは古典的で、ニコール・キッドマンの「アザーズ」を彷彿とさせるゴシックホラーに近い。非常にスタイリッシュです。
子役の女の子の演技には脱帽!「リンダ・ブレア賞」を設けて授けてあげたいぐらいです。
ただ、いくつか疑問点がありました。
●韓国の上流階級では家の壁を奥さんが塗るのだろうか?
●韓国の女子高生たちは、休み時間になると、みんな屋上から携帯で彼氏にメールを送るのだろうか?
●韓国では、とても大事な話をするときは、必ず磯辺で行なうのだろうか?
さて、これはミステリーであるからして、ホラーの棚で見つけたときは、そっとミステリーの棚に移しましょう。もちろん、そのとき、レンタルショップの店員たちに、少女の怨念のこもった笑みを向けることをお忘れなく。ふふふ・・・・・