とてもとても丁寧に作り込まれたリアリティに富む、素晴らしい海洋冒険TVシリーズです。
当時の社会、制度、秩序、人間模様、悲喜こもごもがとてもリアルに描かれています。
船という海の上の小さな世界で、その世界をどう動かし、人間が生きていく為にどれだけの知識と、判断と、
操作が必要なのか、このドラマを観て初めて知りました。
小さな限られた範囲に人間が詰め込まれているのですから、秩序を持って律せねばトラブルが発生します。
監督する立場の人間の姿勢がどれだけ秩序維持に響くのか、
そういった人間関係から当時の士官に必要な知識、考え方などもドラマの中にみることが出来ます。
また、ドラマは常に海の上で繰り広げられるわけではありません。
時には陸上で休息を取ることもありますし、陸軍と行動を共にすることもあります。
ナポレオンが台頭していた時代の貴族の虚栄や庶民の苦悩、人々の歓び悲しみが丁寧に織り込まれていて
ドラマに厚みと真実味を加味しています。歴史好きにはたまらないことでしょう。
また、そんな背景だけでなく、登場人物たちが実に魅力的です。
主人公を演じるヨアン・グリフィズは実にはまり役。ハンサムで、ちょっと気弱で、可愛いところもあって、
でも判断力には優れていて義に篤い。段々と慕う者が増えていくのも当然です。
その分、敵も増えてはらはらさせられるのですが、毎回上手いこと対処していくその姿にまた惚れてしまうのです。
彼を慕う部下たちや温かく見守る上官、憎々しげにぶつかってくる敵役達やその回だけの登場人物たちも印象的な素敵な人達ばかりです。
イギリスの俳優の層が厚さが感じられます。特に印象に残っているのは4話で登場した陸軍少佐の伯爵。
登場の仕方が唖然とするもので、嫌なお貴族様なのかと思ったらとっても素敵な人でした。