はじめに「ホームレス中学生」を読んでください。できるだけ間を空けずに、この本を読まれたほうがよいでしょう。
「ホームレス中学生」を読んだときにも抱いた印象ですが、親が真人間であり、家族のためにしっかり働くこと、子供に対してちゃんと愛情を注ぐことで、これだけ強くて思いやりのある子供に育つんだな、ということがひしひし伝わってきます。
それと、お兄ちゃんが野球部の活動をやり遂げ、ちゃんと受験勉強をして大学に合格していることも非常に大きかったと思います。
部活も勉強もしてこなかった兄ならば、妹や弟の受験勉強のアドバイスや進路決定のアドバイスもできていなかっただろうし、その後の妹・弟の人生も大きく変わっていたでしょうから。お兄さん自身が、部活動体験の大切さや勉強の要領を心得ていなければ、どんな人生になっていたのだろうか。
短絡的に、「家計を助けるためにすぐに働くべきだ」という考え方の持ち主でなかったことは、結果的に兄弟の生活をより良くすることにつながった、ということは間違いないといえるだろう。それを、働いていない年代できちんと考え、判断できたことがすばらしいと思う。
そんなしっかりしたお兄さんでも、付き合っていた彼女には支えられっぱなしだったということですが、そういった立場の人から見たときに、彼がどのように見えていたのかも非常に気になるところです。
弟さんの成功に便乗したという批判もいずれは出てくるのかもしれませんが、私は決してそうは思いません。弟さんの成功はこのお兄さんの存在なくしてはあり得なかったこと。自己犠牲ともいえる献身的な働きの対価が、出版という形で彼の履歴書の1ページに書き加えられるべきだと思います。
田村兄弟の家族愛は、多くの人の家族のあり方に多大な好影響を及ぼしているのは間違いありません。
人として、親としてどう生きるべきなのか、どんな背中を子供に見せるべきなのか、部活動や学校がなぜ大切なのか、そういうことを改めて考えさせてくれる素敵な物語だと思います。
お兄さんには、この本の印税と出版という経験、また、この出版を通じて得られる様々な人脈やご経験をばねに、より実りある人生を送っていただきたいと思います。
私も新品を買いました。わずかばかりですが、応援の気持ちです。