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ホームレス博士 派遣村・ブラック企業化する大学院 (光文社新書)
 
 

ホームレス博士 派遣村・ブラック企業化する大学院 (光文社新書) [新書]

水月 昭道
5つ星のうち 3.1  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

2011年春以降の身分は未定。「いったい私はどうなるの?」『高学歴ワーキングプア』から3年。その後、博士たちに何が起こったのか?鈴木謙介氏(関西学院大学准教授)との対談を収録。

出版社からのコメント

◎『高学歴ワーキングプア』から3年。その後、博士たちに何が起こったのか?

◎「"専任"非常勤講師」「官製資格ビジネス商法」の実態は?

◎鈴木謙介氏(関西学院大学准教授)との対談を収録。

◎若手博士たちとの対話でよく出る話題に、次のようなものがある。
「どうして博士号まで持っているのにこんな仕事をしているの?」と、世間から質問されることが「最もイヤなんだよね」。
彼らは、食べるためにさまざまなバイトをやっている。塾や家庭教師にとどまらず、飲食店の店員や洋服の販売員、コンパニオンや建設作業員といった肉体労働、なかには人に言えないものもある。
パチプロ生活では、そこのところが一番快適だった。なにせ、知らない人たちの集いの場である。「博士号を持っているのにパチンコ生活ですか?」などと、余計なことは間違っても聞かれない。   (本文を再構成)

◎非正規の職でも「あればまだまし」/東大卒の博士でも就職率は四〇パーセント程度/教員も事務員も非正規だらけ/職なし・非正規博士は一〇万人/ホームレス博士を生み出す究極の格差社会----アカデミック・ワールドのいびつな構造/仕事を得られるかどうかは運次第/学部卒が支配する国・日本/奨学金返済という枷----博士たちは構造的にワーキングプアへと仕立てられる/大学院は我が国に必要なのか?/ストレートの院生より二留の学部新卒/美大の現実/量が増えたから質が下がったのか?/博士の放置プレイは国を滅ぼす

【著者紹介】
水月昭道(みずきしょうどう)
一九六七年福岡県生まれ。九七年、長崎総合科学大学工学部建築学科卒業。二〇〇四年、九州大学大学院博士課程修了。人間環境学博士。専門は環境心理学・環境行動論。〇六年、得度(浄土真宗本願寺派)。著書に『子どもの道くさ』(東信堂)、『子どもが道草できるまちづくり』(共著、学芸出版社)、『アカデミア・サバイバル』(中公新書ラクレ)など。〇七年刊行の『高学歴ワーキングプア』(光文社新書)はベストセラーに。現在、立命館大学衣笠総合研究機構研究員および同志社大学非常勤講師。任期が切れる二〇一一年春以降の身分は未定。


登録情報

  • 新書: 214ページ
  • 出版社: 光文社 (2010/9/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4334035825
  • ISBN-13: 978-4334035822
  • 発売日: 2010/9/17
  • 商品の寸法: 17.6 x 11.2 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.1  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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44 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
私は作者とほぼ同世代で、大学院重点化ムーブメントの入り口辺りで
大学院進学をしたものです。

大学院重点化の中で、就職に恵まれない博士が量産されている話は
同様の境遇の同級生などを見ていて良く理解できます。
その境遇などには大いに同情しますし、安易な大学院進学を戒める
ためにも本書のような、大学院進学と就職の実像を明らかにする
本の意義は大きいと思います。
ただ、筆者が博士課程進学をした動機について、やたら文科省や
大学の煽りのせいと、他人に責任転嫁しているだけなのが気になり
ました。
その当時、あるいはそれ以前から「博士課程に行くのは食えなくなる
覚悟が必要」と言われており、就職状況も悪かったことは分かっていた
はずです。「博士をとったらバラ色です」みたいな煽りなんて、少なく
とも旧帝大ではありませんでした。(研究者として就職するには修士
はとるべきだという指導はありましたが。)
その辺の自己責任について真っ正面から向かっていないため
全体の説得力が減じているのが残念でした。
このレビューは参考になりましたか?
43 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者は博士号取得者を「知識階層」「エリート街道を驀進」などと表現するが

ではその賢い筈の「知識人」たちは如何なる見通しを持ってアカデミアに参入したのか。

正規教員の身分の盤石さは企業の正社員の比ではなく上はつかえている。

一方で少子化の進行により大学の客である若者は減るばかり。

そんな世界に入ればどうなるか

賢い筈の「知識人」ならずとも小学生でも分かりそうなもの。

社会だの制度だのの所為にされても困る。

「就職できないから、ある種のモラトリアムで大学院に進学するというのは、

〔中略〕悪いことじゃないけれど、戦略としては、正直なところ少しよくない」

とは著者自身認めるところであるし

真面目に研究者を志すにしても所謂ポスドク問題は80年代後半から顕在化していた。

加えて「知識人」の窮状を「市民」に訴えることが本書の目的の筈なのに

「市民」を「象牙の塔から遠い存在」呼ばわりするのも賢い振舞とは思われぬ。

揚句「小・中・高等学校の教頭や校長などの役職者や学校法人の理事・評議員職」に

「修士号や博士号の取得を課」せなどと

新たな学歴社会の構築を主張するに至っては痛ましくすらある。

実務能力と学歴の相関関係は

皆無とは言わぬまでも所詮は二義的なもの過ぎないというのが

自らも大学院で学んだ評者の実体験に基づく認識である。

寺の子に生まれ

若い身空でぷらぷら「道草」(本人談)し

大学を出たときには既に三十路

そこから更に7年掛けて博士課程を修了した著者は或る意味恵まれており

そう言った人物が「野良博士」の味方面してベストセラーをものし

困窮する「野良博士」をTVに晒しつつ

自らをその「解説者」の高みに位置付けようと謀り

それを拒まれると(当たり前だが)、

自らが晒し者になるのは教え子からの「尊敬のまなざし」を損なうから厭だと言う。

何とも手前勝手な話である。
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33 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
著者も書いているが、J-castでも紹介されていた、大学職員の給与水準(関大45歳で1250万という)を見ると、自分たちだけは規制や税金に守られてぬくぬくして、ツケはすべて学生や著者のような非常勤に回すという大学の体質が恐ろしい。18歳以下人口が減り続ける中、学部生の定員減を大学院重点化の名の下に院生定員の増加で補ってきた(93年から今年まで、学部定員2万人減、院定員は5万人増)が、高学歴化し博士号まで取った彼らに出口はない。大学の多くが、講義の半分以上を非常勤に依存しているのに、需給ギャップを良いことに週一90分授業で月報酬が2〜3万というからあきれる。

本書には、前作高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)ほどのインパクトはない。後半は著者の半生記みたいだし、鈴木謙介との対談はやや水増し感が漂う。そして、学問で身を立てるのは大昔から難しいものだった、むしろ学歴のインフレが起こりバカでも教授になれた戦後の一時期だけが異常だったのではないか、インフレが終わったバブル以降、就職が厳しいのは目に見えていたのではとも思う。著者も二匹目のどじょうを狙うなら、嘆き節や宗教・自己啓発に逃げ込むのではなく、教育学や経済学の視点を持って真正面から博士過剰問題の処方箋を書く努力をすべきだった。

とはいうものの、金も時間もかけ、博士を取っても出口なく歳だけ取る絶望感や、専任教職員の人柱になっている苦しみ、いつ首を切られるかという恐怖を抱える無職博士たちに共感したい。個人的には私学助成自体に意義を感じないが、最低限、専任様だけが潤う現状を何とかしないといけない。いつものことだが、富める人だけが直接金をもらえてよりおいしい思いをし、もらえない真の弱者がより苦しむ補助金がまかり通るのはどうかしている。
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