1995年に発表され大宅賞を受賞した「ホンダ神話(教祖なき後で)」の増補版であり続編に位置づけられる作品。
前作が、本田宗一郎、藤沢武夫という二人の創業者とその子供達と呼ばれ彼らの薫陶を受けた二代目以降の経営者達の姿を中心に、ホンダという企業の歴史をダイナミックに描いた、企業史としても人物伝としても読み応えのある作品だったのに対し、この作品の主役はホンダではなく、世界の自動車産業の俯瞰図になっている。
よって、前作と同じく「ホンダ」という企業そのものを描いた作品を期待した者にとっては、期待はずれの感が強かった。また、読んでいるうちに、主役はトヨタか?と思ってしまうこともあった。
作品全体が俯瞰図的であるということは、悪く言えば表面的ということだが、自動車産業に関する著作の多い作者にとっては、新たに取材をして書き上げた一冊ではなく、旧知の知識を繋ぎ合わせて書いた一冊なのではと、もやもやしながら本編を読み終わったのだが、最後に書かれた「英訳出版までの道のり(これも前作の続編になっている)」を読んで納得。どうも、やっつけ仕事だったようだ。
とはいえ、業界に詳しくない私にとっては、自動車業界の再編状況をそれなりに知ることができたので☆×3。