「ホラー映画」が好きです。
と言ってもやたら血がドバドバ出たり死体の数が多いだけが取り柄と言った作品は遠慮したいのですが。
で、常々考えていたのが「この世にA級ホラー映画ってあるんだろうか?」ということです。
本作を久しぶりに見ていてそんなことを考えてしまいました。
ロードショーで本作を見た時に真っ先に感じたのは「なんで今更ヒッチコックなんだ?」ということ。
監督のR・ゼメキスと言えば既に大ヒットシリーズ「バック・トゥ・ザ・フューチャー」3部作だけでなく
「フォレスト・ガンプ」でアカデミー賞も獲得していて名実ともに大物監督の地位を確立していたわけです。
それがあからさまにヒッチコックタッチを盛り込んだ「サスペンス・ホラー」を送り出してきたことが不思議だったのです。
本作は「ホラー映画」としては正直あまり印象に強く残る作品にはなっていない気がします。
あっ、それは何も本作が詰まらないとか失敗であるという意味ではありませんので誤解の無いように。
H・フォードとM・ファイファーと正にトップスターが共演しているわけですから「華」があって実に豪華なもんです。
「裏窓」や「めまい」をモチーフとしつつ徐々にミステリーを深めて緊張を高めて行き
クライマックスで一気に急展開でサスペンスを盛り上げるなどさすがに上手いもんです。
ゴーストストーリーの盛り込み方にも無理がなく洗練されたものになっております。
ただ、その洗練の度合が大き過ぎる気がします。
結果として「恐怖」がいま一つ迫って来ないのだ。
観客を「怖がらせてやろう」という下世話な動機(笑)が感じられずその部分でホラーとしては少々物足りません。
とは言え、主演の二人の熱演と意外な展開をじっくりと楽しめる作品に仕上がっていて「大人のためのサスペンス映画」としては及第です。