これまでも優れた自然ドキュメントをつくってきたチームの最新作だが、この作品には特別なものを感じてしまう。極北の地の美しくも過酷な「四季」とそこに生きる様々な動物たち。圧倒的な映像の美しさ。美しいだけでなく、観ているとなにか「神」に近いような感覚さえおぼえる。そして、どうしたらこんな映像が撮れるのかと思わずにいられない脅威的な動物たちの生態。今まで観たこともないような映像が次々に出てくる。ザトウ鯨の海中での群泳とチームでの豪快な捕食シーン、象アザラシの母子の海中での哺乳シーン、ひとつひとつの映像が神秘的ですらある。スタッフの創造性と忍耐力に敬意を表したい。「神は細部に宿る」というが、信じられないほどアップの動物たちの姿をみると感動的だ。映画は正味80分ていどと短いが内容が濃いので見応えがある。最後の「こうした動物たちも極北の氷原が失われたら彼らも地上から消えていく」というメッセージが強く心に響く。環境保護、北極の氷が溶け、氷原が消えると言われてもそれがどんな結果を生み出すのかイメージできないが、この素晴らしい動物たちが地上からいなくなるようなことがあってはならない。この映画を観たら私たち人間の存在にも直結することを強く感じる。いろんな意味で素晴らしく、深く考えさせられる映画だ。