本書の最初に「全就業者の過半を占めるに至ったホワイトカラー」と書かれていた。ホワイトカラーの定義そのものが、昔と異なっている。以前はホワイトカラー=管理職、事務職、専門技術職を指したのだが、今では「明らかな単純労働」以外が、ホワイトカラーと呼ばれている。「事務従事者」や「販売従事者」もホワイトカラーに分類されているが、はたして「上位者の指示で動く単純事務作業」や「専門性を要しない販売従事者」までがホワイトカラーと言えるのか。
わが国のホワイトカラーに占める正社員の比率が6割を切ったことからも、「仕事に対する自由裁量を持っている」という「タガ」をはめないと、「ブルーのつなぎを着ていない」という理由だけで、安易にホワイトカラーに分類されてしまう。
もし、この人たちもホワイトカラーに入れるなら、「彼らは決して給料ドロボーではないし」、その処遇の格差も無視できないレベルになっている。組合結成比率も低いから、サービス残業もあたり前。「コミット&アサインメント」が機能しなければ、「成果主義」ならぬ「結果主義」で給与が決まってしまう。
本書はさまざまな視点からホワイトカラーを分析しているが、最も読みごたえのあるのは第4章「日本のホワイトカラーはどこへいくか」。国際競争力の維持から成果主義の導入は避けて通れない。本書が秀逸なのは、単なる「成果主義とその結果の所得格差」を問題点としてあげるだけでなく、その対策として「スキルアップのためのサポート」「最低賃金の引き上げ」を提言しているところにある。むろん、ホワイトカラーひとりひとりの「エンプロイアビリティ=どの企業でも通用する普遍的な能力」を高めることが大前提なのは、言うまでもない。