野外スケッチ用、アルミイーゼルとして、水彩画で着色もするとなれば、画面を水平にできるタイプが必要で、選択肢はかなり限られてくると思います。その中で、このイーゼルは、足がアルミのやや太い四角形でできた三脚でとても作りがしっかりしていて、屋外でも描画時にぐらつくことがなく、おすすめサイズとして、おおよそF3〜F8ぐらいの画面を固定して安心して描くことができる良品です。
最初にいってしまうと、印象としては、案外大きな物といった感じです。
アルミイーゼルとしては足が3段伸縮タイプでごく標準的。これよりコンパクトなタイプは4段伸縮になりほぼカメラの3脚サイズになっていきますがいまのところ、4段伸縮で水平イーゼルはほとんど無いと私は思います。4段になると足がかなり細くなり、水平面に固定したとき画面が揺らいでしまうのかも知れません。はじめてイーゼルを見る人は、袋を空けてみてちょっと戸惑うかも知れませんが、誰でも説明書無しに勘でさわってもすぐに設置できる簡単さです。収納時も難しくない。ただ、いくら易しいとはいっても、収納時はたたんでイーゼルバッグにきちんと入れるまで1〜2分かかるので、バスの時刻が迫ってる時などは慌てるかも知れない。
サイズ的には3段モデルの標準で、収納時に60センチ前後、このサイズになると、他の画材と一緒のバッグに収納するのはあきらめた方がいいのかも知れません。イーゼルバッグは付属しているのでそれにいれて肩に掛けて運ぶことになると思います。試しに大きめのボストンバグやスポーツバッグに収納して持ち運んでみたのですが、荷物がひとつにまとめられるという面では良いのですが、このイーゼルのために無駄に大きなバッグが必要なので、やはり、これは、単独で肩に掛けて持つ。あるいは、他のバッグの外側に固定して持つなどした方が、荷物全体は大げさにならないようなきがします。これは、個人個人の収納や運ぶ時のシチュエーションによって違うでしょう。(そもそも自家用車での移動がメインの人には、全く気にならないサイズです)私は、スケッチする場所まで公共の交通機関で移動するので、荷物の全体としての取り回しがやりやすい方法を選んで結局イーゼル単独で持つ、あるいは、ちょっと大きめのトートバッグに下半分くらい突っ込んで運ぶようなケースが多くなりました。いずれにしろ、これ全体を入れる袋というバッグ選びにこだわらない方がいいと思います。
スケッチには、このほかに、椅子も必要ですね。スケッチの道具の中で一番やっかいなのは、この椅子とイーゼルとどうやって運ぶかという事につきると思います。
そのほか、少し注意する点といえば、画面を固定する下側の金具の傾斜(暴風対策などで、スケッチブックが開かないようにしてある工夫)によって、スケッチブックの画面の下から1〜2センチは描画しにくい。でも、例えばそうだから、F4の画面をF6のパネルなどに水張りして固定したとしても、水張りテープののりしろ分描画できないわけだから、結果同じかな?また、イーゼルの足の開き具合を設定する中桟ですが、意外とこれを誤って蹴ってしまうことが良くある、はずれやすいので(ただ、きちんと固定されているので、蹴らない限り自然に外れることはない)少し注意が必要かも知れません。もしかしたら、このパーツを誤って蹴った時にイーゼル本体が倒れないようにわざと外れやすくしてあるのかも知れません。
この中桟パーツは、水平イーゼルとして使う時は筆や鉛筆などを置いておくちょっとしたスペースとして使えるので大変便利。他社の競合製品では、ここにパレットを固定できる棒が設置されている物がありましたが、ここにパレットが設置できたから使いやすいかといえば、実はそうでもない。パレットは普通に手に持つかもしくは、固定するなら画面のそばにある方が良い。というわけで、パレット固定金具がないからといってこの製品のマイナスポイントにはならないと思う。
これは、個人の好みの問題かもしれませんが、このイーゼルは、見た目のデザインがとても良いと思います。シャンパンゴールドの色合いも目立たずに、屋内でも十分使える。私は実際に、野外水平イーゼル3段伸縮モデルの3製品を見比べてデザインでこの商品に決めました。
ここに書くことではありませんが、注意事項としては
柔らかい地面や芝生に傷がつくなどの理由で、折りたたみ椅子やイーゼルを使ってのスケッチが制限される場所もあると思います。文化財の他に、寺社仏閣など所有者がそばにいることが分かっている場所などでのスケッチは事前にその様な機材を使って良いか確認は必要だと思います。
結論。
確かに、野外スケッチにイーゼルまで持って行くのは大変なことです。荷物が確実に1個増える。しかし、数時間でもそこに滞在して絵を描く時、その苦労をしてまでも持っていく価値が十分にあります。見かけが大げさかな?という感じがしますが、逆に私は絵を描いていますという事を周りに知らせることができる。そして、それによって、新たな出会いがある場合もあります。私は、スケッチしている時に何度も絵が好きな見知らぬ人と会話する機会がありました。そういう風に絵が好きな人を呼び寄せる効果もあるでしょう。少なくともスケッチが主目的である場合は、持って行った方がいい。特に初心者の方でイーゼル選びに迷っている方、水彩で現地であらかた着色までしてしまうようなスケッチスタイルの方には、是非おすすめだと思います。