西洋占星術の技法のひとつ、Horary Astrologyを解説した、公刊本です。著者いけ
だ氏は永らくこの、西洋占星術における伝統的技法の研究、及び実践に取り組んでお
り、またホラリーの講座もたくさんなされている方です。
本書の登場により私達極東の、西洋占星術の勉強を行う多くの人間も、比較的容易
に、この占術に取り組めるようになりました。これは巻末で解説をなさっている、か
の鏡リュウジ氏も「歴史的」としている快挙なのです。
日本でのホラリー占星術の先達である、國分秀星氏は、「ホラリーを理解する為に
は、洋書を読まなくては」としています。ホラリー占星術を受け入れる下地の、殆ど
存在しない日本でそれに取り組むなら、それくらいの努力を要する、という意味で充
分傾聴に値する言葉であり、実際いけだ氏も、そうとうの洋書を読んでいます(巻末
の参考文献リストを御覧下さい)。
がしかし洋書を読み、ホラリーに取り組む事が、恰も手付かずの広大な荒れ地を、
自ら切り拓く事だとすると、このいけだ氏の著作の登場に拠り私達は、「歩くだけで
足元が泥だらけになる」事はなくなり、すくなくとも足許だけは整備された状態から
入れるようになった、といえるのではないでしょうか。
いみじくも鏡氏は上記解説で、「占星術、ホラリーを取り巻く環境の成熟」が現在
の日本には存在する事を指摘しています。という事は私達は、ホラリーに真摯に取り
組むのであれば、「足許が整備された」事のみに浮かれる事なく、上記「広大な土地」
を、豊饒なものへと発展させてゆくべきでしょう。その第一歩として、本書を入手す
る事をレヴュア−は心よりお薦めいたします。