石ノ森章太郎が亡くなってはや10年。
いくつかの石森/石ノ森作品がリメイクされているが、若い人たちにとってはそれなりに楽しめるのかもしれないが、オリジナルを知っている者からするとどれも今ひとつ魅力にかける。
そんな中で、リメイクとは少し言いにくいが、石ノ森自身のペンによらないものという意味では同列にできるかもしれないのが、石ノ森の死後も描き続けられているこのシリーズだ。しかも描いているのは石ノ森のアシスタントだった人たち(?)である。それなりに期待もしてこれまでのシリーズを読み継いできた。
けれどももう止めた方がいいかもしれない。と、思わせられてしまったのがこの「ミレニアム・サービス編」だ。
何がいけないかと言えば、絵柄とストーリーだ(と言うことは、すべてか)。
アシスタントだったとは言え石ノ森自身ではないわけだから、絵柄が違ってしまうのは仕方ない。だが、かつてのキャラクターが全然変わってしまっている。いや、似ているけど違うのだ。例えて言うならば、声優が替わったドラえもんと言った感じか。そんな感じならばいっそ、新しいキャラクターで新しいホテルを舞台にして描いてくれた方がいい。
そしてストーリーだ。石ノ森自身の手になるものはコミックスにして35巻も数えたのだから、ある意味ホテルに関係するストーリーは描きつくしていたのかもしれない。だから、この「ミレニアム・サービス編」では、昔どこかで読んだようなストーリーが続いてしまう。かろうじて、21世紀と将来を見据えた話くらいがオリジナリティがあると言ってもよいだろうか。
確かに石ノ森の遺産(?)をよく10年描き続けてきたと思うし、ホテルを舞台にした話は描きようによってはこれからも続けることはできるだろう。だが、そろそろ石ノ森の「ホテル」という看板は下ろしても良いのではないだろうか。作っている人たちもしんどくないのだろうかと、心配してしまう。