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登場人物は人間ではないけれど、人間そのものの特性や人間模様がとても生々しく描写されていた。
何事も常に移り変わってゆくという無情の概念や、人間のもろくて壊れやすい繊細さや強さが、江國 香織さんのシンプルでやわらかい言葉でくっきりと表現されていた。
挿画は佐々木敦子さんの描いた、すごく幻想的で雰囲気のある絵が数枚入っていて、文章はもちろん、絵を見ることも楽しかった本。
ホテルカクタスの玄関の描写の部分では、あまりにも素敵で鳥肌が立った。(仰々しくも豪華絢爛でもない、くたびれているけど微妙な素敵さ)
この本を読んだ人はきっと、
「帽子らしい仕草」「きゅうりらしい仕草」「数字の2らしい仕草」をするのに、読んでいくうちに人間じゃないことは気にならなくなるでしょう。
可笑しくて、クスっと笑ってしまう場面も入っていて、人間が主人公の小説より、ずっとずっと笑えます。
でもどこか悲しくて、切なくて・・・。
読み終わったときは、こんな話を書けてしまう人がいるんだ、と、鳥肌がたちました。
読めばきっと、江國さんの世界の虜になりますよ。
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