エドワード・ホッパーの絵は、一見すると写真のように写実的だ。しかしよく見るととても下手だ。人物はロボットのようだわ、塗りは滑らかではないわ、遠近感は歪んでいるわ。ホッパーは版画や素描を観るとかなり巧いのだが、技術的に巧い人が意図的に崩したようには見えない。印象派の影響が強いし、意図的にやったにしてもだ。しかし、それが返って奇妙なリアリティを与えている。
この本は絵をイコノグラフィー的に読み解く本で、難しいところは度々有ったが、翻訳も良かったからか文章が素晴らしい。しかし、図版が一部原画はカラーなのに、白黒になっていて残念。