東海村の経験から、初期調査の重要性をとき、辞職してまで調査にかけつけたことで、初期被爆の貴重な資料ができあがった。もちろん準備もきちんとした上の取材で、スクープ狙いとかではない。ただただ、被爆の実態を正確につかむために。新旧の放射能被爆に詳しい専門家のやりとりも秀逸。長崎・広島の被爆地の専門家たちによる支援、京都や金沢などの専門家たちも協力する。専門家が信じられない、記録するしかないとつぶやく実態。知らずに被爆していた人たち。放射能は距離ではない。同心円で避難地域を指定する国の欺瞞がわかる。難題にもわたって暮らしてきた先祖からの土地や仕事をあきらめらければならない畜産家の苦悩に涙。死んでいく家畜をただただ見殺しにしていくしかない。シベリア抑留から帰還して50羽から初めて3万羽に増やした鶏が飢え死にしていく。大正時代から続く名馬の育成をようやく息子に継がせようとしてあきらめなければならない。子どもを自分の生まれ育った土地で育てたいと思っていたのに、植えた作物をただ捨てるしかない農家の若者。映像と一緒に読むことをおすすめしたい。