予告編などで、人間が物を大切にしないといったキーワードがあったので、「リサイクル」や「自然を守れ」路線の映画かと思ったら、そういうのは、多少はありますが、親子愛の話でしたね。また、アクションムービーでもあります。「千と千尋の神隠し」「天空の城ラピュタ」を連想させるものでもありました。
狐(?)の世界に迷い込んでしまい、見破られそうになって逃げまくるといったアクションにかなりウエイトを置いているので、最終的にどう収めるのかと思っていたのですが、死んだ母への思慕が強く、男手ひとつで遥を育ててきた父にはずっとそっけなかった遥を、最後には、ちゃんと、それまでないがしろにしてきた父親の愛を理解するところへ収めたのは納得です。
重要なキャラクターとなるのが、やはり遥が放置した事で、いつの間にかホッタラケの島に連れて来られていた羊のぬいぐるみのコットン。手鏡争奪戦だけでは一本調子になってしまうところを、コットンと遥の再会が絡む事で物語にドラマチックなメリハリがついた。
実はコットンは、母を失った幼い遥に送られた父親からのプレゼントで、思い出の中の母性を探す冒険の中、思わぬ形で現在の遥が自分から遠ざけてしまっている父性というもう一つの愛情を再発見する物語になっている。
3Dの映像は好き嫌いが分かれそうです。人間の描写はやっぱり難しいしいですね。キャラクターを主体で見せるアニメーション作品として純粋に評価すると、やはり顔以外はのっぺりとした描画の人間たち、いまいち動物っぽさの感じられない異世界の住人たち、いずれもいまひとつ魅力に足りないのは問題でしょう。
一方、背景の美しさ、色彩の豊かさはすごいです。製作が「攻殻機動隊」「イノセンス」のプロダクションI.G.ですからね。島の造形なんかは「イノセンス」の中華街でのパレードシーンの発展系ですね。