著者の「リッツ・カールトンで学んだ〜」に続き購読したが、特に目新しい内容はなく、逆に失望させられる部分もあった。他の書籍の目次を見ても基本コンセプトは同じであり、タイトルをいろいろと変えて出版しているだけのような気がしてしまう。これぞと思う書籍を1冊読めば、著者の言わんとしていることは理解できると思う。
一方、本書の後半には、「まずは外見を見ましょう。(中略)ちゃんとした仕事をしていて、お金の支払いもよさそうな、これから自分が付き合うべきお客様を見きわめなければならない」(P87〜)、「中小企業の社長からの宴会のオファーをやんわり断るために、相場よりも少々高い金額を提示した」(P131〜)、その他「一流ホテルでは〜」という表現が目立つ。
前著では「ノーと言わないサービス」などと言っていたが、所詮それは「トップ5%のお客に対する態度なのでは?」と疑いたくなる。そぐわないお客に対しては、上述のように自分の中で事実上ノーと言ってしまっている。顧客を見る目も大切かもしれないが、ホスピタリティの教科書(?)でこのようなことを書いては全く説得力がない。
サービスに格差をつけるのはよいが、ホスピタリティというマインドに差をつけてはならないと思う。一人ひとりに対してどれだけ誠実に向き合えるがホスピタリティの原点なのではないのか。
ホスピタリティの原点は、本書にあるように「気くばり」と「心くばり」にあり、加えて「自分がして欲しいことを他人にもできる」というマインド、さらに「お客様に喜んでもらうことに喜びを感じる心(性格)が備わっているか」かが大切だと思う。
ホスピタリティ関連書籍では、イブニングドレスを試着したいというホームレスの女性に気に入るまで何度も試着を手伝ってあげるというエピソードがあった、米デパートのノードストロームの理念の方が個人的には共感できる。「サービスが伝説になる時 ベッツィ・サンダース(ダイヤモンド社)P15」