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ホストの世界の常識は、世間一般の常識とはまるで別物である。「君は特別な存在だ」とか「愛している」といった言葉はあいさつ代わりに使われる。それを知らずに真に受けて、ホストに熱を上げる客も少なからずいるらしいが、ホストにとってはあくまで営業の一環。2人の間の温度差は縮まるはずもなく、幸福な結末が訪れることはまずないという。
昼間は大きな会社の社長、夜はゲイバーのママという男や店に足しげく通うために風俗業界に身を投じるOL、1億数千万円の借金を客に肩代わりさせ、あげくの果てに刺されてしまうがまったく懲りないホスト(しかも同じような傷が体に6、7個はあるという)など、興味深い人物が登場し驚くような行動をとる。だが彼ら彼女らは「自分らしく」生きているだけで、しかもホストの世界のルールに照らし合わせば至極まっとうなのである。
だが本書が単なる「業界暴露本」に終わっていないのは、著者のきまじめさや迷いが随所に読み取れるからだろう。本書には父親との確執や親しかった指名客の自殺、公務員から転身し、ホストという職業を選択した経緯が包み隠すことなくつづられている。ホストの人生を選び取り、一瞬一瞬を悩みながら懸命に生きてきた青年の手記に共感を覚えずにはいられない。(中村 真)
内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
出版社 河出書房新社 編集部 太田美穂
ホストである。
昨今のホスト業界の隆盛ぶりには瞠目すべきものがある。テレビでの話題性を始めとして、ネットでも様々なホスト・サイトがあふれている。ここ数年、急速にホストクラブは増え始めた。風俗・水商売の女性のみならず、潜在的にホストクラブに興味を持っている女性はかなりの数いるであろう。この不況下にして、ホスト業界は何とも元気がいい。
ホステスの歴史は古く、活字の世界でも書き尽くされた感があり、ホステス出身の作家も珍しくはない。そろそろ、ホストからも優秀な書き手が現れる時期だと思っていた。
本書は、ホストがホスト業界の内幕を描いた本邦初のノンフィクションである。酒、金、男女関係……世間の常識を超えた実態を、ユーモアと哀感をこめ、具体的なエピソードを交えながら仔細に描ききる。
謎めいた「ホストの世界」が、今初めて明かされる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
福岡県生まれ。大学在学中よりホストの仕事を始め、公務員を経て専業ホストとなる。ネット巨大掲示板「2ちゃんねる」で書き込み中に発掘され、本書で本格的デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)