謎解き物でもサスペンス物でもない、エンターテイメント性を追及した作品でもない、何が正しいのか明確に示すこともない、新人弁護士である堂本灯が主人公だが彼女のサクセスストーリーでもない。形容するなら問題提起型ドラマといえばいいだろうか。
全体的に重苦しく一見とっつきにくいが観るにつれて引き込まれ、色々考えさせられる自分がいる。
人としての正義をまっとうしようとする堂本灯は世知辛い複雑怪奇な世の中からは「偽善者」「現実を知らない」「組織を乱す人間」とされる。
我々の社会に置き換えてみると正義を貫くことにより組織からはじき出されるなら少々のことは目をつぶり、組織に染まるほうが当然居心地がいいし、そういう選択をしがちだ。
そうしてその組織の悪しき慣習を育むことになる。世の中は程度の差はあるがこういう悪しき慣習がはびこっているのだ。
公式サイトには視聴者から上っ面の意見だけでなく「法律」「裁判」「弁護士」等についてそれぞれの立場から、様々な深く踏み込んだ意見が寄せられた。結末には賛否両論あったがこのドラマの性質から考えて妥当であったと思う。
上戸彩は数字が取れないと言われたりするが、若者向けに数字か取れるように条件を整えた作品でなく、本作品のように数字のとり難いタイプの作品に出ていることが多い。そういう厳しいなかでしっかり存在感を示してきたと思うし、わたしは高く評価している。
彼女は豊かな表情を持ち、小細工して演技をうまく見せようとせず、心で演じる姿勢に好感が持てる。また主演としての華や存在感も十分持っている。少しずつだが今後は若年層だけでなく幅広い年齢層に受け入れられていくのではないかと思う。
また北村一輝は最近の線の細い若い男優とは一味ちがう独特の揺るぎない個性を持っている。これは彼にとっては大きな強みであり、長く活躍できることを期待している。