バンドの金看板だったフランシス・ダナリー不在のこのラインナップをイット・バイツと認めたくないという気分は正直私にもある。そのがこのアルバムに対する評価のバイアスになりがちではある。
が、虚心に聞くと、ジョン・ミッチェルの歌声はさほどダナリーとの違和感を感じさせないし、演奏能力もそん色ない。よって、今の時代にオンタイムで彼らの音楽性を再現できる最良のラインナップだと思う。そこまで得心して、やっと、本作を普通に聴けるようになった。思うのは、「やっぱ、こいつら、素晴らしい音楽をクリエイトしてたんだな」ということ。旧譜も思わず聴き直してしまった。
しかし、やはり、このラインナップの進化は新録新作「ザ・トール・シップス」の出来にこそ現れた。結果は大傑作をものにしたと思う。是非、新作の方も併せて聴いてみて頂きたい。