この製品をK-5やK-r、645Dのシュー部に装着することで、GPS位置情報を写真データに添付することが可能になる。GPSの感度はとても良く、コールドスタートでも5分もあれば現在地を掴むことができ、カメラを3軸それぞれにシェイクするキャリブレーションを行うことで地磁気センサーの情報も加わって、高度をふくめた3次元位置情報を利用できる(このキャリブレーションは少し手間がかかるが、精度のためなので仕方がないし、利用前には必ず実施した方が良い)。
シューおよび電池部(単四電池1本:製品には付属しません)には簡易防水パッキンが設置されているので、K-5と併せればWRレンズと組み合わせてのアウトドア環境での利用にも心強い。3次元位置情報に対応した状態であればGPSによる高度もデータに含まれるので、登山中に撮影した写真の位置情報を活用することもできる。
ただしホットシューの上にタバコ箱半分程度の大きさの当ユニットが乗る形になるので、落下や衝突などで負荷がかかると当機のシュー部分から折れてしまいかねない心配がある。また、この筐体は艶ありのプラスティックなので擦り傷には弱く、しかもファインダーの覗き方によってはおでこが軽くぶつかるかもしれない。
この製品を購入しようと考えている多くの方はアストロトレーサーの利用を考えているだろうが、ポータブル赤道儀ほどの鮮明な点像にはならなかったので、星像の撮影を主目的に考えている方にはお奨めはできない。
画角に関わらず撮影時間が短くなるほどに星像が流れる率が高くなる傾向にあるようで、200mm等の望遠レンズを載せれば当然ながら追尾可能な時間が短くなるため、結果的に流れてしまう写真が多くなっている。もし望遠レンズで星雲や銀河を撮影しようと考えているならば赤道儀を利用するしかない。残念ながらこの製品と現状のファームウェアでは対応できないだろう。
しかし50mm以下の広角系レンズをのせ、十分に長時間の露出がとれるような光害の少ない地域であれば、比較的容易に天の川まで写し取れる星野撮影ができるので、登山等のアウトドア活動のついでにちょっと星野を撮影してみたいという用途であれば、軽量な装備で済むのが嬉しい。その場合もヘビーな三脚に載せる必要はなく、(さすがに撮影途中に動くのは望ましくないが)地面に転がしておいてもきちんと写せていることに驚きである。
なお星を撮影する際には、この当機の精密キャリブレーションを実施すること、レンズの無限遠をきちんとだしておくこと(
PENTAX DA18-135mmF3.5-5.6ED AL DC WR(フード付) DA18-135mmF3.5-5.6ED AL DC WRのように距離指標のないレンズでは予め遠いところへAFをした上でMFにする等の工夫が必要)および適切な露出時間を設定すること(どの感度で何秒開ければ適切かといった情報はカメラからも当機からも一切提供されない)が重要になる。
ちなみにアストロトレーサー撮影は現状ではインターバル撮影ができない。1ショットごとにメニューから「撮影開始」を選択してOKを押し、さらにシャッターボタンを押し込んでやる必要がある。K-5とWRレンズであれば防滴なので屋外に放置したままでも大丈夫だと目論んでいただけに、この点は思わぬ誤算であった。改善に期待したい。