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ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)
 
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ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス) [ペーパーバック]

アンドレイ・クルコフ , 沼野 恭子
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (27件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

恋人に去られた孤独なヴィクトルは、憂鬱症のペンギンと暮らす売れない小説家。生活のために新聞の死亡記事を書く仕事を始めたが、そのうちまだ生きている大物政治家や財界人や軍人たちの「追悼記事」をあらかじめ書いておく仕事を頼まれ、やがてその大物たちが次々に死んでいく。舞台はソ連崩壊後の新生国家ウクライナの首都キエフ。ヴィクトルの身辺にも不穏な影がちらつく。そしてペンギンの運命は…。欧米各国で翻訳され絶大な賞賛と人気を得た、不条理で物語にみちた長編小説。

内容(「MARC」データベースより)

憂鬱症のペンギン・ミーシャと暮らす売れない小説家ヴィクトル。新聞の死亡記事を書く仕事をきっかけに次々起きる不可解な変死。不条理な世界を描く新ロシア文学。

登録情報

  • ペーパーバック: 315ページ
  • 出版社: 新潮社 (2004/9/29)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4105900412
  • ISBN-13: 978-4105900410
  • 発売日: 2004/9/29
  • 商品の寸法: 18.6 x 13 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (27件のカスタマーレビュー)
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20 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 淡々と流れる時間, 2006/10/31
レビュー対象商品: ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス) (ペーパーバック)
あらすじを読んだ限りでは、

無名の作家が大きな陰謀に巻き込まれていき、

なんとかもがき、脱出しようとする、スリリングな物語だと思っていた。

でも実際に読んでみると、

そこにはもがきだとかはなく、ただ淡々と、時が過ぎていく。

それが逆に新鮮で、ひきつけられた。

ペンギンのミーシャも、マスコット的に存在するのではない。

ヴィクトルにとってはかけがえの無い存在であるものの、

その存在だけで、全てを癒してしまうものではないのだ。

むしろ、どんなに微笑ましい食事のシーンなどでも、

ペンギンの存在は、どこか物悲しさを演出している。

読後は、なんというか、爽快さは無いのだけれど、

独特の雰囲気の読書時間が終わってしまうことが、残念だと思った。

ずっとずっと、淡々と物語が続くような錯覚に陥っていたのかもしれない。

決して物語は大団円となっていない。

でもそれが、読者に想像力を膨らませ、希望を持つ余地を与えてくれる。

この話には、『カタツムリの法則』という続編が存在するらしい。

是非、この作品も日本語訳を出版していただきたい。
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20 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 みんな孤独, 2006/5/13
レビュー対象商品: ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス) (ペーパーバック)
ペンギンは憂鬱である。

というより、この物語が憂鬱である。

かわいいカバーに騙されて買った人に不意打ちを与えるほど憂鬱である。

主人公ヴィクトルは生存している人間の「追悼記事」を書く。その依頼された仕事に隠された陰謀に気付きながら、漠然とした不穏な空気の中で「擬似家族」と暮らしている。主人公ヴィクトル、友達の娘のソーニャ、若い家政婦ニーナ、そしてペットのペンギンで構成される家族ごっこ。もちろん読んでいて微笑ましく思える場面も多いのだが、ただ彼らの日常には幸せは存在していないような気がする。ソ連崩壊後のウクライナという舞台も不穏な日常の背景となっている。

そして、それでもペンギンはかわいいのである。

「追悼記事」を書かれた人が次々と死んでいくというストーリーは、どうしても「デスノート」を想起させるが、実際に読んで受ける印象はだいぶ異なる。むしろ本書の訳者あとがきでも指摘されているように、村上春樹の雰囲気に似ているかもしれない。
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14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 ウクライナ『オレンジ革命』の虚妄を暴く視座, 2005/7/15
レビュー対象商品: ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス) (ペーパーバック)
ペンギンを飼っている売れない作家に、
生前から要人の追悼文章を書かないかと声が掛かる。
追悼文を書いた人々が次々に死亡していく。
マフィアが一枚噛んでいるようだ。
要人のファイルには、愛人関係や裏稼業での罪状が
こと細かく記載されている。
旧KGBでもなければ調べられないような内容だ。

ある議員が殺害される。
「やつが死んで、民営化賛成論者が数人パトロンを失う。
やつは、そいつらからもう前金を取ってたんだぜ。
その上、自分の身の安全を確保して長生きできるようにって、
何やら文書を抱えこんでてね。国会議員連中に関する文書らしい。
上のほうにいる連中も大変だよな。戦争してるようなもんだから」
旧KGBと旧ノーメンクラツーラと新旧マフィアによる支配体制。

筆者は語る。ペンギンはいつも集団で行動する動物で、
一羽だけコロニーから出すと、
そいつはどうしたらいいか分からなくなり、途方にくれてしまう。
ソ連時代を生きた人間にそっくりだと。
ペンギンを仲間のいる南極に戻してやろうとするが、
叶わぬ夢だった。
現代のウクライナからは『出口なし』という絶望の表現だ。

ソ連時代に戻りたいとは決して思わない。
しかしソ連時代は、体制に反逆しない限り
弱者は最低限の生活は保障されていた。
まるで動物園のペンギンのミーシャのように。
ミーシャは動物園の檻からは自由になった。
しかしその「自由」な社会では生きていけなかった。

ウクライナのオレンジ革命
米NGOズナーユや米民主主義基金NEDによる『民主主義革命の輸出』
ウクライナの政権エリート内部での権力争いという側面と、
腐敗したクチマ政権に対する体制変革の下からの動きという
政治対立の構図であったものを、西か東かという外交的な選択の構図に
変えてしまった。
民主化支援は内政撹乱工作と紙一重だ。
超大国の権益が弱い国家の民主化プロセスを翻弄する。

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