出版当時から注目していたのだが、なんとなく時を過ごしてしまい、先日、ついに読むことが出来た。
著者はペンギン会議の研究員であり、さまざまなペンギン関係の書物を翻訳、執筆している。自身もニュージーランドや南極を訪れて、ペンギンたちと触れあっている。
2001年当時の最新のペンギン事情が紹介されている。生息数や絶滅を防ぐための対策から始まり、海中での活動やペンギンの祖先についての研究も述べられている。
ペンギンを一種類ずつ取り上げて概説するのではない。ペンギンの愛らしさが強調されているわけでもない。そのため、単なるペンギン愛好者には不満の残る一冊だろう。
しかし、著者が前面に押し出しているペンギン保護の問題は重要である。南極はオゾンホールの拡大により、生態系が変貌しつつある。紫外線に弱い植物プランクトンが死滅し、それを食べるオキアミも種の交替を行いつつある。それがオキアミをエサとするペンギンにも影響を与えているのだ。このあたりの研究は、ここ数年で飛躍的に発展している部分でもあり、本書を2001年に読んでおかなかったのはちょっと残念だった。