概要は著者の鉛筆で描くとだぶる面もあるが、絵画全般(画家、イラストレーター、漫画家)にとっては、奥の深い格好の教材となるのは間違いない。著者が1976年に出版したもので、日本でも1979年に翻訳本が出て、版を重ねている。それだけでも折り紙つきの良書といえ、時代を超えているのは、著者の芸術家としてのステイタスを証明する根拠となる。内容は初めにペン画としての限界が出ている。芸術としてのペン画の限界を著わしているのも興味深いところだ。さらに用具、ペンの扱い方と続き、さらにトーン構成,明度、輪郭の扱いと続く、鉛筆で描くでも多分最も重要視されているところ
、トーンは芸術のエッセンスともいえる、このくだりは、ここを通過し理解できねば、永遠に芸術の神妙部に到達しない。トーンを著者は最も重要と考えているとみてまちがいなさそうだ。ほかに構図問題も取り上げ、スケッチしたり、写真を用いた場合の対応などがある。ほか
の画家の作品研究もされている。表現されている,紹介されている画家の作品は今日、現代の表現法と異なり古くなっているが本質は不変なのだから、読者は本質の深い部分を見抜き、理解につとめなければならないだろう。それはこの著書の価値を低める要素には成りえない。座右の書、永遠の良書に巡り合った、読者の幸福である。