アーサー・C・クラーク賞、英国幻想文学賞受賞作。
二段組み600ページを越える超大作。内容的にはファンタジーなんだろうけど、どこかスチームパンクを思わせる。スチームパンク好きの自分にはぴったりなんだけど、2009年の6月に出版されてすぐに購入したにもかかわらず、辞書のような分厚さに恐れをなして、今まで読んでなかった。
しかし、それを後悔させるぐらいの内容。どうして、こんなに面白い、想像力豊かな作品をすぐ読まなかったのだろう。
舞台は、バス=ラグと呼ばれる魔術と蒸気機関が支配する世界の都市、ニュー・クロブゾン。そして、その中心に位置するのは、題名にもなっているペルディード・ストリート・ステーション。
その世界では、人体改造された人間や昆虫人?、鳥人?などが混在しているが、そこに住む異端の科学者アイザックが主人公。そのアイザックに飛べなくなった鳥人族ガルーダのヤガレクが再び飛べるようにして欲しいと頼み、アイザックは、鳥や昆虫など空をとぶことのできるものの研究を初め、そこで、見つけた不思議な幼虫を育て始めるところから話は進む。
前半部分はなかなか話が進まず、この世界がどういうものなのか理解するので精一杯なのだが、読んでいくうちに、不思議とこの世界や主人公の行動が自然なものに感じられるようになってくる。この世界のディテールの描写がいい。まるでSF映画を観ているようになり、物語の世界に引き込まれていく。この辺が著者のスゴイところだ。
後半は、打って変わってスピーディな展開。自らが育てた幼虫のせいで、世界が破滅の危機に瀕し、それを救おうとするアイザック。その過程で出てくる、不思議な生き物やコンピュータらしきもの。ファンタジーの世界とスチームパンクが見事に融合し、衝撃的な結末を迎える。ネタバレになってしまうので、詳しく書けないのが残念だけど、ページを捲るのがもどかしいぐらい、グイグイと引き込まれていく。
いやぁ、スゴイ小説だった。
この同じ世界を舞台にした続編もあるようなので、そちらも読んでみたい。翻訳されないかなぁ。